1988 Fiscal Year Annual Research Report
ピッチ系炭素繊維強化複合材の疲労強度に及ぼす繊維種別の影響
Project/Area Number |
63550087
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
村上 理一 徳島大学, 工学部, 助教授 (00112235)
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Keywords | CFRP / 疲労限度 / AE / 停留き裂 / 切欠き効果 |
Research Abstract |
供試材はフェルト状のピッチ系炭素繊維をエポキシにランダムに配向したCFRPである。試験片は37.4mm×20mm×3mmの平板の両側に切欠き半径ρ=1mmおよび8mmの切欠きを付した切欠き試験片である。疲労試験は、MTS電気・油圧式疲労試験機を用い、繰返し速度f=2Hz、応力比R=0で行った。AE計測は島津製SAE-1000Aを用い、波形解析をマイコンで行った。得られた研究結果をまとめると、次のようになる。 1.切欠きの導入によってCFRPの疲労強度は約35%低下した。しかし疲労限度は切欠き半径によらずほとんど同じであった。 2.き裂発生寿命は破断寿命の約10%であり、極めて初期から疲労き裂が発生していることがわかった。またAEは疲労き裂発生時期を検出でき、顕微鏡よりもさらに微小なき裂が精度よく検出できた。 3.AEは疲労き裂発生や伝ぱ機構に基づいて固有なものである。これらを解析することによってCFRPの疲労破壊の微視的様子が定性的に議論できた。 4.CFRPの疲労限において、切欠き底に停留き裂が確認できた。このき裂の存在は線形切欠き力顎の概念を使って説明でき、またCF疲労強度に寄与する機構が明確にできた。 5.停留き裂の存在により、ここでの切欠き半径ρは分岐点より小さいことが、明らかとなった。このため疲労限度および時間強度が切欠き半径によらずほとんど一致することがよく理解できた。
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