1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63550375
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
岡部 健士 徳島大学, 工学部, 助教授 (10035652)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 弘 徳島大学, 工学部, 助手 (10210717)
中野 晋 徳島大学, 工学部, 講師 (50198157)
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Keywords | 流砂 / 移動限界掃流力 / 抗力・揚力 / 流体力変動 / 土砂水理学 |
Research Abstract |
本研究は、山地河川に転在する粗礫の移動限界を明らかにするために作用する流体力の特性と粗礫の動的応答特性を実験的・理論的に検討するものである。本年度は、まず、礫モデルとして球および楕円体を用い、これらをビ-玉粗面から種々の高さで露出させた状態において抗力と揚力の同時・連続計測を行った。球の計測は前年度も実施したが、計測精度ならびに実験条件設定に若干の問題が残されたので、再計測した。ついで、粗礫の応答特性については、当初は移動床の条件での実験を計画していたが、予備実験において、現象があまりにも複雑かつ難解であり、この段階でそれを行うことは困難と判断したため、予定を変更し、固定床条件下の実験のみ実施した。移動限界の評価法については、昨年度の移動確率の条件付き条件式に改善を加えるとともに、その一般化を試みた。以下に、本年度の主な成果を列挙する。 (1)河床から露出した礫モデルの抗力係数と揚力係数は、代表流速として頂点の高さを通る接近流速を採用するとき、露出度の影響を受けない。両者に対する水深の影響は、これが粒径の1.5倍以下で顕著である。 (2)流体力の変動成分の確率分布はガウス式で十分近似できる。また、抗力。揚力の変動係数は、ほぼ普遍的に、それぞれ0.15、0.4程度である。なお、両者の自己相関はともに指数関数的である。 (3)理論的考察の結果、任意の粒径、露出度の粗礫の単位時間当りの移動確率条件付き限界掃流力が一般的に定式化された。この式は、孤立球などの実験結果をかなり良く説明した。 (4)上述(3)の成果に基づき、混合礫から成る実際河床における粗礫の移動限界のシミュレ-ション・モデルを構築した。いくつかの試行計算の結果は、実験などで見出されている傾向を良く再現した。
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Research Products
(1 results)