1989 Fiscal Year Annual Research Report
岩盤不連続面の形状的、力学的特性とその流動機構に関する研究
Project/Area Number |
63550464
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
江崎 哲郎 九州大学, 工学部, 助教授 (40038609)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 強 九州大学, 工学部, 助手 (30161566)
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Keywords | 岩の透水試験 / 地下の透水 / せん断特性 / 透水モデル |
Research Abstract |
昨年度成功を収めた不連続面を有する試験体を用いたせん断-透水同時計測実験を引続き行い、その結果の整理および透水モデルの作製を行った。その結果は以下の通りである。 (1)平行平板モデルを仮定し差分法による解析により放射流における透水係数の評価が可能となった。 (2)垂直応力一定でせん断中に、画像解析により得られた不連続面近傍の挙動は、変位計により得られたせん断箱間の挙動によく一致する。 (3)せん断変位0の状態で垂直応力を増加させると、透水係数は指数的に減少していくが、インタクトな岩に比べてその値は極めて大きい。 (4)垂直応力が0.2、1.5Mpaでは、せん断変位が約5mmまでは透水係数は約1桁増加するが、その後ほとんど一定の値をとる。これは、透水量が極めて多く、注水側管の摩擦損失の影響を受けたためと考えられる。垂直応力20Mpaにおいては、3個の試験体で実験を行った。その結果、すべてのケ-スにおいてせん断変位が約10mmまでで透水係数の約2桁の増加がみられた。その後、急激に減少するケ-スがあったが、それは凹凸の破壊にともない発生したグ-ジによって透水経路が閉塞したためと考えられる。 (5)本実験で得られた結果および透水係数の決定法の妥当性を評価するため、バ-トンらの提案する透水モデルとの比較を行い、よい一致を見た。 (6)非接触型レ-ザ-変位計を用いて不連続面の凹凸を測定し、その結果から応力-透水特性モデルの検討を行い、不連続面がかみ合った場合とかみ合わない場合の垂直剛性-垂直変位等のシミュレ-ションを行った。その結果、低い応力下では実測値とよい一致を示し、高い応力下実測値より低い剛性を示した。特に、せん断変位を受けたモデルは、ダイレタンシ-の他に凹凸の損傷も大きな影響を及ぼすため、実験結果と一致するモデルは得られなかった。このモデルは今後の課題としたい。
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