1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63560161
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐分 義正 東京大学, 農学部, 助教授 (20011926)
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Keywords | 電解酸化 / 陽極酸化 / リグニン / β-0-4型リグニンモデル化合物 / 側鎖酸化解裂 |
Research Abstract |
1)β-0-4型リグニンモデル化合物として、アルコール型PH_ACHOHCH_2OPh_B、およびケト型Ph_ACOCH_2OPh_Aを種に合成した。 2)電解条件としては、Pt、C電極、種々の溶媒、支持塩を使用し、電圧、電流を変え、経時的に原物質の減少量、反応生成物量をHPLC、GLCで追跡した。 3)低電圧、低電流下、アセトン-希硫酸、アセトニトリル-Bu_4NClO_4、メタノール-Et_4NOTs系で、当初の目的である側鎖酸化生成物のベンズアルテヒド類の生成がアルコール型二量体から、一方、ケト型二量体からはアセトフェノン類の生成が認められた。しかし、芳香環酸化生成物のベンゾキノン、ベンゾキノンアセタール類の生成については、当初予想の条件、メタノール-希NaOH、メタノール-MeONa系で電極の汚染、重合反応か進行、他の条件でも良い結果が見出せなかった。 結論として、芳香環の一電子酸化、さらに側鎖酸化により、アルコール型二量体からはベンズアルデヒド類、ケト型二量体からはアセトフェノン類が生成することが判明したが、これらは二量体モデル化合物のベンジル核、ベンゾイル核Ph_A由来であり、収率的には未だ十分というには程遠かった。一方、フェニルエーテル核Ph^A由来の生成物は、フェノキシラジカル生成を経由するためか非常に反応性に富むと考えられ、複雑多岐にわたり、このことが又、Ph_A由来の生成物の収率低下にも影響することが判明した。
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Research Products
(1 results)