1989 Fiscal Year Annual Research Report
ラット網膜の再凝集培養に於ける神経細胞の性質の検討
Project/Area Number |
63570064
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Research Institution | Okazaki National Research Institutes |
Principal Investigator |
赤川 公朗 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 助教授 (80129303)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉村 和法 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (20158497)
白尾 智明 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 助手 (20171043)
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Keywords | ラット網膜 / 再凝集培養 / 光応答 / アマクリン細胞 / パッチクランプ法 |
Research Abstract |
新生児ラット(ロングエバンス系)より網膜を摘出し。、カルシウム及びマグネシュム非存在下でピペッティングにより単一細胞懸濁液を得た。 これにラット血清を含むMEM培養液を加えて旋回培養を行うことにより再凝集培養細胞塊を作製した。この細胞塊はほぼ球形で直系約500μ程度であった。組織化学的観察からこの中には特徴的な層構築があることが知られた。最外層は一層のアマクリン細胞から成り、その内側には神経突起及びシナプスの集積した層が見られた。最内側は形態学的によく分化した光受容細胞が向中心性に配列しており、optic disc様の構造も認められた。これらの結果は単一細胞にまで分散させられた網膜細胞群が再凝集細胞塊の中で生体に類似した層構造を再構築することを示していた。更に、最外側のアマクリン細胞にパッチクランプ法を適用して電気生理学的記録を試みた。約3分の1の細胞では自発性の活動電位を出していることが分った。興味あることに、再凝集細胞塊全体に光照射すると、自発性発火している細胞の小数のものに於て、発火頻度の増加を認めた。この増加は光照射の中断により消失した。これらの結果は一部の最外側アマクリン細胞が、最内側の光受容細胞との間に機能的な連絡を形成していることを推測させた。またこの様な応答は、培養作製後、一週間以内には見られないことから、両細胞間の連絡形成には少くとも一週以上かかるものと思われた。この機能的連絡が両細胞間でのシナプス形成によるものか、何らかの仲介細胞が存在するかについては不明である。
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Research Products
(1 results)