1989 Fiscal Year Annual Research Report
培養皮膚線維芽細胞によるピルビン酸代謝異常のスクリ-ニングに関する研究
Project/Area Number |
63570441
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Research Institution | University of Tokushima |
Principal Investigator |
黒田 泰弘 徳島大学, 医学部, 教授 (20035471)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武田 英二 徳島大学, 医学部, 講師 (00144973)
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Keywords | 高乳酸血症 / 乳酸 / ピルビン酸 / 先天代謝異常症 / 培養皮膚線維芽細胞 |
Research Abstract |
先天性高乳酸血症の大部分の症例において欠損酵素が不明であり、多くの患者は乳児期に死亡したり、生存しても精神運動発達遅延や成長障害を伴う。したがって先天性高乳酸血症の病因を一つでも多く解明し治療に結びつけることは重要な研究課題である。そこで本研究では軽度のピルビン酸代謝異常を有する皮膚線維芽細胞をも正常細胞と明確に区別することができる感度のよい検査法の確立を試みた。 まず(I-^<14>C)ピルビン酸と乳酸酸化酵素とを用いて培養皮膚線維芽細胞におけるピルビン酸からの乳酸産生能の測定法を新しく確立した。ついでピルビン酸脱水素酵素(PDH)欠損症1例、PDH活性化障害3例、ピルビン酸のミトコンドリア膜輸送障害の疑い1例、マルチプルカルボキシラ-ゼ欠損症1例、電子伝達系の複合体I欠損症1例、複合体IV欠損症1例および原因不明の高乳酸血症10例の皮膚線維芽細胞を用いて、(I-^<14>C)ピルビン酸脱炭酸能とピルビン酸からの乳酸産生能を測定した。対照には高乳酸血症を伴わない疾患16例の培養皮膚線維芽細胞を用いた。ピルビン酸代謝異常細胞において(I-^<14>C)ピルビン酸脱炭酸能は低下し、乳酸産生能は亢進していたがその値はかなり対照値と重複した。しかし乳酸産生能/ピルビン酸脱炭酸能比は、ピルビン酸代謝異常細胞において明らかに高値を示し、この比により異常細胞と対照細胞とを明確に区別しえた。したがって培養皮膚線維芽細胞の乳酸産生能/ピルビン酸代謝異常のスクリ-ニング法として有用と考えられた、また本法により原因不明の高乳酸血症10例中2例においてピルビン酸代謝異常が疑われた。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 川上郁夫,武田英二,黒田泰弘: "培養皮膚線維芽細胞の乳酸産生能/ピルビン酸脱炭酸能比によるピルビン酸代謝異常のスクリ-ニングに関する研究" 日本小児科学会雑誌. 93. 2176-2181 (1989)
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[Publications] Y.Kuroda,I.Kawakami,E.Takeda et al.: "Screening for disorders of pyruvate metabolism by measurement of lactate production in cultured skin fibroblasts" Clinica Chimica Acta.