1989 Fiscal Year Annual Research Report
T_3優位型バセドウ病甲状腺の特殊性および臨床的特徴
Project/Area Number |
63570553
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
高松 順太 大阪医科大学, 医学部, 助手 (00140137)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大澤 仲昭 大阪医科大学, 医学部, 教授 (90010090)
中井 益代 大阪医科大学, 医学部, 教授 (20084832)
細谷 東一郎 千葉大学, 薬学部, 教授 (10019648)
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Keywords | バセドウ病 / T_3優位型バセドウ病 / トリヨ-ドサイロニン / 甲状腺ペルオキシダ-ゼ / 血中甲状腺刺激性抗体 / カップリング反応 / アイソト-プ治療 |
Research Abstract |
1.本症における特徴を自己免疫学的な側面から分析した。本症患者は通常のバセドウ病患者に比べ、血中マイクロゾ-ム抗体価のtitorが高値であった。同様に血中ペルオキダ-ゼ自己抗体価も高値であった。しかし血中サイクログロブリン自己抗体価には有意差はなく、通常のバセドウ病と同様であった。血中TSHレセプタ-抗体活性は、本症において有意に高値であっ。血中DNA自己抗体量を高感度RIA方(アマシャム社製キット)で測定すると、合例性状範囲内ではあるが、有意に高値であった。血中thyroid-stimulating antibody(TSAb)活性は本症において有意に高く、また血中TSHレセプタ-抗体価との相関性も通常バセドウ病に比べ良好であった。 2.バセドウ病治療法のひとつであるアイソト-プ(^<131>I)治療を行ない、甲状腺機能元進症の予後を最低5年間以上にわたり追跡した。通常のバセドウ病患者では、^<131>Iの投与回数は90%が1回のみであった。T3優位型患者では投与回数は1〜6回にわたり、平均2.7回であった。治療後の晩発性甲状腺機能低下症の出現頻度は、通常バセドウ病では40%であるのに対し、本症患者では12%にとどまった。 3.本症患者の甲状腺(亜全捐手術のさいにえられたもの)を用い、in vitro実験にてペルオキシダ-ゼのカップリング反応における特徴をしらべた。サイログログリンはプ-ルしておいた多数のバセドウ病甲状腺から抽出し、ペルオキシダ-ゼは各国人ごとのペルオキシダ-ゼを抽出した。H_2O_2を添加してカップリング反応を起こさせ、その活性をグアヤコ-ル法で測定した。さらにこの反応にて生成されたT_4およびT_3の良をHPLC法にて分析すると、本症においてT_3生成量が通常より高まっていることが示され、本症のペルオキシダ-ゼが通常バセドウ病のペルオキシダ-ゼを差異のあることが示唆された。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Takamatsu J: "Enhanced Thyroid iodine wetabolism in patieuts wtih triiodothyronuine-predowinant Graves'disease." Journal of climical Endocrinology&Metabolism. 66. 147-152 (1988)
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[Publications] Sugawara M: "Deticiency of Superoxide dismutase inendemicgoiter tissue" Journal of clinical Endocrinology&Metabolism. 67. 1156-1161 (1988)
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[Publications] 高松順太: "T_3優位型バセドウ病の定義とその成因" 医学のあゆみ. 149. 693 (1989)
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[Publications] 高松順太: "T_3優位型バセドウ病(T_3-predominant Graves'disease)の発見とその後の追究" ホルモンと臨床(秋季増刊号). 37. 19-30 (1990)
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[Publications] Takamatsu J: "The Thyroid 1988" Excerpta Medica 1Amsterdam-New York-Oxford, 3 (1988)