1988 Fiscal Year Annual Research Report
生検標本及び摘出標本を用いた膀胱腫瘍細胞の動態解析-特にBRDU膀胱内注入後の腫瘍組織について-
Project/Area Number |
63570741
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
吉水 敦 新潟大学, 医学部附属病院, 助手 (40166997)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笹川 亨 新潟大学, 医学部, 助手 (80187111)
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Keywords | BRDU / 膀胱内注入 / 移行上皮癌 |
Research Abstract |
正常移行上皮へのBROMODEOXYURIDINE(BRDU)の膀胱内注入による取り込みを見るため、まず雄の成犬9頭にBRDUを投与した。投与方法は最初の7頭にはBRDU750mgを生理食塩水50mlに溶解し膀胱内に注入し、のこりの2頭にはその1/2の濃度で投与したまこの際濃度が変化しないように両側の尿管は結紮した。投与約2時間後に膀胱を摘出し膀胱の後壁、両側壁より標本を採取し、70%アルコールにて固定後、パラフィン包埋し抗BRDUモノクロナール抗体を用いABC法にて染色した。移行上皮細胞1000個中の標識細胞数を数えLABELING INDEX(L、I)で表した。標識細胞は重荷中間層に認められ、L.I.は平均9、7で濃度による差は見られなかった。 次に膀胱移行上皮癌のため膀胱全摘術を予定された患者に対し、手術直前にBRDUを投与した。投与量はBRDU1500mgに生理食塩水50mlとした。投与時間は平均5時間で、膀胱摘出後腫瘍及び正常部を採取し前期の方法と同様に染色しL.I.を算出した。患者は3名で術後の病理組織診断は微小浸潤を伴う上皮内癌1例であった。正常のL.I.は平均7、8で、標識細胞は高座層から中間層にかけて認められた。上皮内癌の症例においてはL.I.は24.7で標識細胞はほぼ全層に平均してみらた。上皮異形成例、移行上皮癌例は腫瘍が小さく判定が困難であった。
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