1988 Fiscal Year Annual Research Report
偏平上皮癌の細胞学的解析における関連抗原TA-4の意義
Project/Area Number |
63570782
|
Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
森岡 均 山口大学, 医学部附属病院, 講師 (50182217)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高杉 信義 山口大学, 医学部附属病院, 講師 (80163202)
加藤 紘 山口大学, 医学部, 教授 (10034969)
|
Keywords | 扁平上皮癌 / 腫瘍マーカー / フローサイトメトリー / 免疫組織科学 / 5-azacytidine |
Research Abstract |
扁平上皮癌細胞株SKGIII_aの細胞をクローニングし、明らかに1個の細胞をoriginとする腫瘍細胞亜株を得た。この細胞株は、免疫組織学的検討にて細胞内にTA-4活性を有すること、又、培養上清中のTA-4活性をRIAで測定することにより、TA-4放出能を有していることが明らかとなった。次に、この細胞株を、細胞の遺伝子の発現に影響すると報告されている5-azacytidine(5-azac)10μMで処理し、TA-4発現に対する影響について検討した。その結果、5-azaC処理により一部大型化あるいは多核化する細胞が出現し、免疫染色にてTA-4活性の強い細胞が出現した。また、培養上清中のTA-4活性は、5-azaC処理により有意に増加した。5-azaC処理により種々の細胞内TA-4活性を有する細胞が出現したことより、これらの細胞をさらにもう一度クローニングし、細胞内TA-4量の異なる2種類の亜細胞株(CA-5及びB-5細胞)を得た。これら各細胞株の細胞内TA-4量をFCMで測定すると共に、培養上清中へのTA-4放出能をRIAで測定した。その結果、A-5再報では、FCM及び免疫染色にて細胞内TA-4活性の明らかな増加が認められたが、TA-4放出能は低く、一方、B-5細胞では、細胞内TA-4活性はA-5細胞に比較して低いにもかかわらず、培養上清中へのTA-4放出能はA-5細胞より明らかに高値を示した。以上のことより、腫瘍細胞の増殖の過程で、TA-4の産生、放出能に細胞間でheterogeneityが生じることが明らかとなった。現在、A-5、B-5細胞のinvivoでの増殖能の差を検討するため、これらの細胞をヌードマウスの皮下に注射し、腫瘍形成能及び腫瘍増殖速度を経時的に測定中である。
|
Research Products
(2 results)