1990 Fiscal Year Annual Research Report
カラ-コンピュ-タを用いた口腔癌および前癌病変の早期診断に関する基礎的臨床的研究
Project/Area Number |
63570930
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
天笠 光雄 東京医科歯科大学, 歯学部, 助教授 (00014332)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉増 秀實 東京医科歯科大学, 歯学部, 講師 (70137933)
塩田 重利 東京医科歯科大学, 歯学部, 教授 (70041267)
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Keywords | カラ- / 口腔癌 / 前癌病変 / カラ-コンピュ-タ- |
Research Abstract |
マイクロカラ-コンピュ-タを用いて、測色に適応する時間の計測を行ったところ、電源入力後約20分で安定に入り、測色は電源入力20分後以降とした。測色はマンセルの表色系に従った。測色時の被測色部と光検知部との位置的関係と測色精度を検討した。被検部を圧迫すると粘膜あるいは皮膚が貧血を生じて、色相が変化し、青みが増してしまうため、また被検部と離すと色相がばらつき、明度が落ちるため、フェザ-タッチでの測定が良い事が判明した。なお、マイクロカラ-コンピュ-タの皮膚、粘膜部分の測定精度を検討するため、視感比色法とマイクロカラ-コンピュ-タとにより同一部位を測色し、比較検討したところ、色相および明度については差がみられなかったが、彩度はマイクロカラ-コンピュ-タの方が視感比色法よりもおよそ1.5〜2.0低値を示した。このことより、色相、明度はマイクロカラ-コンピュ-タによったが、彩度については視感比色法を併用して測色した。 正常口腔粘膜の色相に関しては舌では2.5R〜10Rに、歯肉及び頬粘膜では5R〜5YRに、明度については舌では3.5〜5に、頬粘膜、歯肉では4〜5、5に分布していた。彩度については舌、頬粘膜、歯肉とも3〜5に分布していた。白板症の色相については5RP〜5YRに、明度では3〜8に分布し、彩度は白斑単独では1〜2に分布し、紅斑を伴ったところでは5〜10の鮮やかな赤い色が多かった。口腔癌では色相は10RP〜5Yと多彩な色を示し、明度は3〜8までみられ、彩度は2〜4に分布するものと、6〜8の高彩度部分に分布するものに分れた。 以上より白板症では鮮やかな赤を有するものは組織学的にも上皮性異形成が高いものが多く、口腔癌ではくすんだ黄色や鮮やかさに欠ける赤い部分がみられ、色彩による診断の可能性が示唆された。
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