1989 Fiscal Year Annual Research Report
第二次世界大戦期における原爆開発製造過程の実証的研究
Project/Area Number |
63580078
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
山崎 正勝 東京工業大学, 工学部, 教授 (20106959)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅 耕作 東京工業大学, 工学部, 助手 (90016642)
日野川 静枝 拓殖大学, 商学部, 助教授 (90134832)
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Keywords | 原子爆弾 / 第二次世界大戦 |
Research Abstract |
(資料収集) 今年度は、研究成果の公表に重点を置いたため、収集された資料は必ずしも多くはないが、その中で重要なものの一つは、英国で入手したO.フリッシュとR.パイエルスの1940年の第二メモである。両人はウラン原爆の工学的な構成をはじめて示した提示したメモを作成したことで知られるが、今回入手したメモは、この技術メモに添えられた政策的提言を述べたメモである。この資料の入手は、わが国で最初と思われる。その他に、幾つかの米国の報告書類のうち原著の収集が遅れていたものについても、入手が進んだ。 (資料分析) (1)シカゴ大学冶金研究所の成立過程については、従来不明な点が多かったが、原資料の分析を通じて幾つかの重要な側面、例えば、同研究所が軍事研究所であったにもかかわらず、大学附置となったことによって、それまでの大学内の自治的な研究慣行が維持された、などが明らかにされた。 (2)ロスアラモス研究所での原爆の研究開発過程についても、技術的開発過程を追うことによって、ウラン爆弾とプルトニウム爆弾の開発の競合の基本的過程が明らかになった。その中でとくに重要な点は、初期の砲撃型プルトニウム爆弾、スインマンの開発の挫折とその放棄で(44年夏)、これによって対独使用が技術的に不可能となり、対日投下が決定的となったことが明らかにされた。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 山崎正勝,日野川静枝,兵藤友博,奥山修平: "原爆開発の科学技術史" 科学史研究. 28. 1-4 (1989)
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[Publications] Masakatsu Yamazaki: "Origin of the Idea of the Atomic Bomb,Part1-Physical Research on the Atomic Bomb and the Decision to Make the Bomb during World War II-" Historia Scientiarum. 38. 1-14 (1989)
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[Publications] Shizue Hinokawa: "Origin of the Idea of the Atomic Bomb,Part2-Changing Status of the Plutonium Bombplan in the Early Stages of American Atomic Bomb Development" Historia Scientiarum. 38. 15-28 (1989)
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[Publications] 山崎正勝: "ロスアラモス研究所における原爆の開発と製造" 東京工業大学人文論叢. 16. 211-221 (1990)