1988 Fiscal Year Annual Research Report
グルココルチコイド作用増強物質によるリンパ性白血病の新治療法の開発
Project/Area Number |
63614525
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
勝沼 信彦 酵素科学研究センター, 酵素化学部門, 教授 (50035375)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木戸 博 酵素科学研究センター, 酵素化学部門, 助手 (50144978)
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Keywords | グルココルチコイド / 白血病 / 増強物質 / EGF / シュードウリジン / ジアシールグリセリド |
Research Abstract |
我々はグルココルチコイド(GC)作用増強物質として、GCに対する細胞の感受性を増強するGlucocorticoid Sensitivity Amplifier(GSA)とGCの示す最大効果を標的細胞でさらに増幅させるGlucocortikoid Potency Amplifier(GSA)の二種の物質群を見出してきた。GSAはPesudouridiny-N-oleoyl-phosphamateと構造決定されている。本物質の化学合成を研究目的として推進し、今までにPsendouridine5'-phosphateの酵素学的大量合成法を確立し、現在Oleamideと縮合法の検討を行っている。現在さらに酵素学的縮合法を検当している。一方GPA物質(EGF、フォルホールエステル、ジアシールグリセリド)はいずれもプロテインキナーゼCの活性化物質群で、逆にプロテインキナーゼCの阻害剤のH-7は、GC作用を強く阻止することを明らかにした。さらにH-7の作用機序に関する研究結果より。H-7は、細胞質画分におけるGCレセプターと熱ショック蛋白(HSP-90)の解離を抑制し、GCセレプター活性化を抑制した。その結果GCセレプターのの細胞質画分からの核への移行が抑制され、GC作用の発現が阻止された。以上のことから、プロテインキナーゼCがGCレセプターの活性化と核への移行に不可欠であることが推定される。 以上の結果より、GC体制白血病細胞や種々のGC不応症の中に、プロテインキナーゼCによるGCレセプターの活性化の阻害が考えられ、GC体制リンパ性白血病細胞株をプロテインキナーゼCを指標にスクリーニングしている。さらに、ジアシールグリセリドの長さを変える予備実験より、これらがGPA作用を示す臓器に特異性が認められた。このことから、GSA、ジアシールグリセリドの脂肪酸の長さを変えることにより、臓器特異的にGC作用の増幅が可能か否か検討している。また従来用いられてきた抗白血病治療薬と、GSA、GPAの併用によるリンパ性白血病の治療法をL5170Y、L1210リンパ性白血病細胞を用いて検討している。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Nobuhiko,Katunuma: Advances in Enzyme Regulation. 26. 191-208 (1987)
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[Publications] Hiroshi,Kido: Biochem.Biophys.Res.commun.144. 151-159 (1987)
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[Publications] Hiroshi,Kido: Biochemistry. 26. 2349-2353 (1987)
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[Publications] Hiroshi,Kido: FEBS Lett.223. 223-226 (1987)
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[Publications] Nobuhiko,Katunuma: Advances in Enzyme Regulation. 27. 277-286 (1988)
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[Publications] 勝沼信彦: がん治療のあゆみ. 7. 37-46 (1988)