1988 Fiscal Year Annual Research Report
交差相関法を用いた新しい偏極パルス中性子分光法の開発
Project/Area Number |
63840007
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Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
神木 正史 東北大学, 理学部, 助教授 (30004451)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 和芳 東北大学, 理学部, 助手 (70133923)
元屋 清一郎 埼玉大学, 理学部, 助教授 (60114683)
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Keywords | 偏極中性子 / 交差相関法 / パルス中性子 / スピン波 / 中性子分光 |
Research Abstract |
以下研究実施計画にそって、本年度研究実績を述べる。 1.交差相関法データ集積装置の製作 (1)中性子スピンフリップ・チョッパーシステムの製作 (2)2時間現象タイムアナライザーの製作 上記2装置は、いずれも製作を完了し、下記のテスト実験に用いた。その結果、これらの装置が所期の性能を有することが、確認された。 2.交差相関法データ解析用ソフトウェアの開発 ソフトウェアには、上記のデータ集積装置と、これを用いた実験を行うPEN分光器附属のコンピュータとのインターフェースとなる部分及び、交差相関法のデータ解析に固有な部分の2種類あるが、いずれも基本的部分の開発を完了し、下記のテスト実験によって得られたデータの処理及び解析に用いた。 3.中性子散乱テスト実験の実施 上記のデータ集積装置を用いた交差相関法による中性子散乱実験は、高エネルギー物理学研究所パルス中性子源PEN分光器において行われた。実験においては、ホイスラー合金(Cu_2MnAl単結晶)の強磁性スピン波の測定を試みた。その結果、(111)逆格子点の近傍において、10〜20meVのスピン波励起を、フォノン等のバックグラウンドから分離して測定することに成功した。 来年度は、上記の成果を基に、いくつかの磁性体のスピン波の測定を進め、また、偏極アナライザーをつけ加えるなかで、交差相関法を用いた中性子分光法を確立していく予定である。
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