1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63840022
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Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
芦田 正明 北海道大学, 低温科学研究所, 助教授 (50012422)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土谷 正和 和光純薬工業, 中央研究所, 研究員
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Keywords | β-1,3-グルカン / ペプチドグリカン / 異物認識 / フェノール酸化酵素 / 昆虫 |
Research Abstract |
家蚕幼虫から得たプラズマ画分中のProPOカスケード(フェノール酸化酵素前駆体活性化系)として用いるときの問題点は以下の通りである。(1)プラズマを特殊な方法で採取しなければならないため大変な労力と高い技術が必要である(プラズマを大量に供給するためには採取法を改良する必要がある)。(2)ProPOカスケードがβ-1,3-グルカン(β-1,3-G)あるいはペプチドグリカン(PG)で活性化される仕組みが不明である。(3)プラズマ中のProPOカスケードをβ-1,3-GあるいはPGだけに反応するようにするための技術が完成していない。(4)プラズマの保存・輸送方法が確立していない。(5)ProPOカスケードが活性化された時生じるフェノール酸化酵素あるいはトリプシン型セリン酵素の簡便な測定法が確立されていない。 本年度は上記(1)、(2)、(3)に関係した研究を行い、以下に記するような成果が得られた。(イ)家蚕幼虫血液を普通の方法で1mM(p-amidino phenyl)methane sulforyl fluoridと63μM E-64を含む0.9%NaClに採血し、血液から血球とプロテアーゼ阻害済を除くとPGとβ-1,3-Gに反応するProPOカスケードが得られた。しかし、このようにして得られたプラズマ中のProPOカスケードは不安定である。(ロ)ProPOカスケード構成要素のうちβ-1,3-G recognition protein、トリプシン型セリン酵素(複数)のうちの一つの精製法が確立されて、カスケードの全貌を明らかにする方向に一歩前進した。(ハ)PGあるいはβ-1,3-Gに特異的に反応するProPOカスケードをしくじることなく得るためには、プラズマ中の巨大タンパク質を前もって除く必要があることが明らかになった。
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[Publications] Ashida,M.: Insect Biochem.18. 11-19 (1988)
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[Publications] Ochiai,M.: J.Biol.Chem.263. 12056-12062 (1988)
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[Publications] Ashida,M.: Tissue & Cell. 20. 599-610 (1988)