1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63850046
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
青木 亮三 大阪大学, 工学部, 教授 (70037175)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大串 哲朗 三菱電機, 中央研究所エネルギー研究部, 主幹
山中 晤朗 三菱電機, 中央研究所エネルギー研究部, 参事
長谷田 泰一郎 桐蔭学園, 横浜大学, 教授 (20025208)
中村 哲朗 東京工業大学, 工業材料研究所, 教授 (20016819)
佐藤 清雄 富山大学, 理学部, 教授 (20023070)
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Keywords | 断熱消磁 / 希土類磁石 / 磁気熱量効果 / ヒートパイプ / 磁気冷凍機 |
Research Abstract |
本研究の特色ある室温作動磁気冷凍機の設計試作のためには3主要構成部についての予備実験を必要とした。即ち1)磁気作業物質Gdの磁気熱量効果特性。これは永久磁石による外磁場印加時の温度上昇によって表わされるが、高純度Gd内の微量残留酸素濃度(10^2〜10^3PPM)および格子歪によって大きく影響されることが判明した。素材については数社のものについて比較測定の結果、三菱化成製GDMー06を採用して整形後、高真空中で850℃×6h以上の熱処理を行うことに決定した。2)永久磁石磁極間の磁場強度分布。(NdーFe系磁石は残留磁束密度Brが12KG程度に大きいものであるが、20mm厚Gdを挿入するために磁極間隙を24mmとすると中心磁場H=3.3KOeにしかならない。しかしGdを挿入すると表面でH=5.7KOeに増強されることが測定されたので一応△T〜0.5K程度が期待できることが判明した。しかし磁石の最適設計による、より高磁場化は今後の課題である。3)熱流制御スイッチ素子の開発とその特性。従来の固体接触スイッチに代って、ウイック表面でのメタノール蒸発を利用したヒートパイプ方式を採用して、とくに△T〜0.5K程度の微小温度差において作動する特性を、種々の試行の上で漸く得ることに成功した。即ち本実験装置に装着可能サイズのものを試作して実際作動条件における熱流特性シミュレーション実験を行った結果、△T=0.5Kにおいて順逆方向熱コンダリタンス比Kp/KR=2.7、および順方向値Kp=1.6W/Kの好特性を得た。 これら3主要部について、得られた種々の特性定数を基にしてカスケード式磁気冷凍実験装置の設計、発注を行った。 以上の各種研究結果について63年11月23〜24日研究会を開催して活発な討論を行い今後の研究計画を相談した。その結果次年度においては、製作された実験装置に多点高感度温度計測系を装着して実際の動作特性の測定解析を行うことが合意された。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 青木亮三: 低温上学. 20. 294-301 (1985)
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[Publications] Ryozo AOKI;Toshihiko OCHI: Proc.of 10th Internat.Workshop on Rare-earth Magnets and Its Applications,Japan. (1989)
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[Publications] T.OGUSHI;M.Murakami;H.Masumoto;R.Hayashi: Proc.of 1988 National Heat transfer Conf.(U.S.A.). 1. 517-521 (1988)
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[Publications] 大串哲朗他;日本ヒートパイプ協会編: "実用ヒートパイプ" 日刊工業新聞社, 38-51 (1985)