1990 Fiscal Year Annual Research Report
ス-パ-オキシドデイスムタ-ゼ活性を強化した作物の耐ストレス試験
Project/Area Number |
63860004
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Research Institution | Kyoto Prefectural University |
Principal Investigator |
田中 國介 京都府立大学, 農学部, 助教授 (90027194)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古沢 巌 京都大学, 農学部, 教授 (10026594)
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Keywords | ス-パ-オキシドディスムタ-ゼ / ストレス耐性植物 / 形質転換植物 / イネ / ホウレン草 / プロトプラスト / トランジトペプチド / グルタミン合成酵素 |
Research Abstract |
研究目的:各種ストレスに対する耐性に関与する酵素として知られるス-パ-オキシドディスムタ-ゼ(SOD)の遺伝子構造の解析とその発現機講を明らかにすること。更に、重要作物にプロトプラストを通じて外来SOD遺伝子を導入しSOD活性を強化した作物を作出し実用品種へ移すことを目的としている。 研究方法:(1)イネ浮遊培養細胞よりプロトプラストを調製する。(2)プロトプラスト由来カルスのより効率的調整法を確立する。(3)プロトプラスト培養を通じて、バラコ-ト耐性カルスを得、ひき続き植物体の再生を試みる。(4)ホウレン草SODのcDNA・核遺伝子構造の解析。(5)イネSODのcDNA・核遺伝子の同定と構造解析。(6)外来SOD遺伝子の植物細胞への導入と直接的育種法の確立の試み。 研究成果:(1)イネ(日本晴)カルスを浮遊培養し、その培養細胞から定常的に生育能力の強いプラストを得る方法を確立した。(2)プロトプラストを寒天包埋した状態で培養しカルス塊をパラコ-ト存在下に培養し耐性カルスを選抜する過程は継続中である。(4)ホウレン草葉について作製したcDNAライブラリ-より、トウモロコシ細胞質型Cu/Zn SOD cDNAに基づき、作成した合成プロ-グを用い、ホウレン草Cu/Zn SODの細胞質型、プラスチド型の全長cDNAをそれぞれ得、全塩基配列を決定した。(5)ホウレン草細胞質Cu/Zn SODのcDNAをプロ-グとして用い、イネCu/Zn型ホうレン草プラスチド型Cu/Zn SODのトランジトペプチドはグルタミン合成酵素のプラスチド型トランジトペプチドと同様、内部に水酸基性アミノ酸を多く含むという共通構造を呈した。各種プロモ-タ-とSOD遺伝子を組み合わせた構造がプロトプラストへ導入されつつある。
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[Publications] 坂本 淳: "GUS融合遺伝子:高等植物の形質マ-カ-" 化学と工業. 44. 138-142 (1991)
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[Publications] 坂本 淳: "プラスチドへのタンパク質の集積機構:Cu/Zn型ス-パ-オキシドディスムタ-ゼとグルタミン合成酵素のプラスチド局在型前駆体の構造とソ-ティングシグナル" 京都府立大学学術報告. 42. 65-74 (1990)
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[Publications] Atsushi Sakamoto: "Nucleotide sequence of cDNA for the cytosolic Cu/Znーsuperoxide dismutase form spinach(Spinacia oleraces L.)" Nucleic Acids Research. 18(16). 4923 (1990)
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[Publications] Atsushi Sakamoto: "Three cDNA sequences coding for glutamine Synthetase polypeptides in Oryxa sativa L." Plant Mol.Biol.13. 611-614 (1989)