1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63870079
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research
|
Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
塩田 重利 東京医科歯科大学, 歯学部, 教授 (70041267)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浜中 人士 東京医科歯科大学, 医用器材研究所, 教授 (10013955)
吉増 秀實 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (70137933)
橋本 賢二 東京医科歯科大学, 歯学部, 助教授 (60094166)
|
Keywords | NiTi合金 / 形状記憶合金 / 振動減衰能 / 衝撃吸収性 / 熱処理 / 圧迫骨接合副子 |
Research Abstract |
本年度は、1.NiTi合金の基礎的性質に関して、本合金の振動減衰能と衝撃吸収性について検討した。また、2.組織内副子の形態に関する検討、3.NiTi合金の加工法に関する検討、および、4.NiTiを用いる組織内副子の機械的性質に関する実験のための治具の開発を行った。その結果、1.NiTi合金の振動減衰能と衝撃吸収性について、本合金は純チタン、白金加金、CoーCr合金に比較して良好な振動減衰能を示し、衝撃吸収の面でも非常に効果的であった。また、これらの性質は、400℃、30分間の中温加熱処理によってさらに強化されることが認められた。2.組織内副子の形態に関して、ヒト乾燥頭蓋骨を用いて、現在臨床で応用されている種々の金属プレート、スクリュー等を再検討し、形状記憶合金の特性を応用した組織内副子の形態について検討した。その結果、(1)顎骨に固定後体温にてその長径が短縮する「圧迫骨接合副子」、および、(2)顎骨に挿入後その先端が開き固定される「顎骨固定用割りピン」の製作を行うことに決定した。3.前記の圧迫骨接合副子および顎骨固定用割りピンの加工に関して、機械加工および鋳造について予備実験を行い検討した。機械加工については、プレス、切削、研磨、ホーニング、溶接(抵抗溶接)、ワイヤカット加工について検討し、ワイヤカット加工によりNiTi製の組織内副子の製作が可能と考えられた。鋳造に関しては、現段階では、前記の形態の組織内副子の製作は困難であり、また、機械加工と比較し、機械的性質や精度の面でも劣ると考えられた。4.NiTiを用いる組織内副子の機械的性質に関して、まず、圧迫骨接合副子について、引っ張り試験、曲げ試験、圧縮試験を行うこととし、その実験のための治具について検討した。その結果、副子固定用のピンの周囲に、副子を冷却し、牽引して形状を伸展させるためのアルコールドライアイスを入れる冷却装置を設けた治具を設計した。
|