1988 Fiscal Year Annual Research Report
口腔癌のLAK細胞とインターロイキン2とによる局所免疫療法の開発
Project/Area Number |
63870080
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
佐藤 光信 徳島大学, 歯学部, 教授 (00028763)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梁川 哲雄 徳島大学, 歯学部附属病院, 講師 (40136263)
吉田 秀夫 徳島大学, 歯学部, 助教授 (30116131)
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Keywords | 口腔癌 / LAK細胞 / インターロイキン2 / 局所免疫療法 / 末梢リンパ球亜群 / 放射線治療 |
Research Abstract |
1.口腔癌患者の末梢血から生細胞分離用ローターを用いたエルトリエーション法によりリンパ球を分離した。このリンパ球はRPMI1640増殖培養液を用いて10^6個/mlになるように細胞浮遊液を調製し、さらに遺伝子組換え型インターロイキン2(rILー2)を1000単位/mlの濃度で添加して、37℃にて4日間培養し、LAK細胞を調製した。LAK活性は、^<51>Crで標識したDaudi細胞、自己癌細胞或いはNK非感受性ヒト唾液腺癌細胞を標的として測定し、40〜60%の細胞障害活性を保有するLAK標品を治療に用いた。2.上顎洞に発生した腺様嚢胞癌症例に対して、LAK+rILー2療法に放射線治療を併用して著効を認めた治験例を報告する。本症例では浅側頭動脈より動注にてLAK細胞を週2回、1回10^7個の細胞をone shotで投与し、更に同日rILー2 10^7単位を24時間持続動注を行った。また、LAK+rILー2療法の期間中^<60>Co外部照射を1日2Gyにて1週間10Gyの割合で総量50Gyを照射した。約1.5ケ月間の治療期間で原発腫瘍は消腿し、CRとなった。なお、末梢血のリンパ球、T3^+、T4^+細胞の絶対数はCR時点で上昇した。3.舌癌症例(T_4N_1M_0)にLAK+rILー2+放射線治療を施行した。LAK細胞は週2回、1回10^7個の細胞を、rILー2は5×10^5単位を連日腫瘍局所に投与し、この治療期間に^<60>Co外部照射を総量50Gy施行した。その結果、原発腫瘍の著明な縮小を認めた。4.4症例(下顎歯槽歯肉癌T_4N_3M_0、stageIV;中咽頭癌T_4N_1M_0 stageIV;上顎洞粘表皮癌;下顎頭血管外皮細胞腫)に対してrILー2を10^6単位で連日単独で腫瘍局所に投与した。その結果、すべての症例でPDであった。しかし、その後下顎歯槽歯肉癌と中咽頭癌症例でLAK+rILー2療法を行ったところ、腫瘍増殖は一時阻止された。rILー2を単独で局所投与した症例の末梢血リンパ球亜群を解析すると、T3^+、T4^+、T8^+、Ia1^+細胞の絶対数とNK活性の上昇を認めたが、Leu7/Leu11値は低下した。なお、末梢血LAK活性の上昇を認めなかった。またrILー2或いはLAK+rILー2投与で好酸球増多を示す症例もあった。
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Research Products
(2 results)