1988 Fiscal Year Annual Research Report
音声合成装置を利用した高等動物の音声認識メカニズムの解析
Project/Area Number |
63890001
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
亀田 和夫 北海道大学, 歯学部, 教授 (70018414)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊福部 達 北海道大学, 応用電気研究所, 助教授 (70002102)
奥村 浩 日本女子大学, 家政学部, 教授 (50001764)
小嶋 祥三 京都大学, 霊長類研究所, 助教授 (70027499)
吉田 敦也 大阪大学, 人間科学部, 助手 (50191573)
鎌田 勉 北海道大学, 歯学部, 助手 (20091431)
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Keywords | パーソナルコンピュータ / 音声分析 / 音声合成 / サル・トリの音声 |
Research Abstract |
本年度は主として音声の取込み、分析および合成処理をするためのハードウェアの作成を行った。当初予定していたアナログ信号を記録するための専用の装置を利用することは、その後のパーソナルコンピュータおよびその周辺装置の飛躍的発展を考慮して採用せず、パーソナルコンピュータを中心にして、その周辺ボードを組み合わせて利用することにした。またディジタル信号処理はDSPボードを利用することによって高速に行うことが可能となった。A/D、D/AおよびDSPボードはカノープス電子のものを採用した。以上のハードウェアのセットアップを伊福部の指導によって鎌田が行った。次にこのハードウェアによる音声処理のためのソフトウェアであるが、最近、数社の企業および学会などから、このためのソフトウェアが提供されるようになった。そのいくつかを試みたところ、個々の処理そのものはよいが、個々の研究者の実験のためには不便であり、場合によって独自のプログラムを作成することが必要であると思われた。また既存のものは、ヒトの音声を念頭においてピッチ抽出、FFT分析などを行うものが多く、サル・トリなどの動物の声の処理には、周波数帯域・分解能の点でヒトの音声とは異なる条件での解析、音声合成の手法が必要であることがわかったので、そのための処理方法をひきつづき開発する予定である。さらに今年度はこの装置を利用した次のステップの実験のために、吉田はニホンザル音声の記録・解析を行い、奥村はコシジロウミツバメの音声解析・プレイバック実験に使用する音声合成のためのパラメーターの条件設定を行った。小嶋はニホンザルなどでヒトの合成母音の弁別実験を試みた。 以上のような結果から、次に各研究者の実験のために便利のよいソフトウェアの開発と、それを利用した行動実験、聴覚実験を試みることをめざしてひきつづき研究を進める予定となっている。
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