2015 Fiscal Year Annual Research Report
エンプラ/元素ブロック系への汎用的感光性付与法の開発
Publicly Offered Research
Project Area | Creation of Element-Block Polymer Materials |
Project/Area Number |
15H00729
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
大山 俊幸 横浜国立大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (30313472)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 感光性 / エンプラ / 元素ブロック / ハイブリッド |
Outline of Annual Research Achievements |
感光剤(DNQ)およびアルコキシシランを含んだポリエーテルイミド(PEI)に対して、露光および露光後加熱(PEB)を行ったのちに2-メトキシエチルアミン(MOEA)含有現像液で現像を行う「反応現像画像形成法(RDP)」により、良好なポジ型微細パターンが得られることをすでに明らかにしている。よって今年度は、現像後の残存部への再露光および加熱(PDB)によるアルコキシシランのゾル-ゲル反応を試みた。しかし、一般的な有機無機ハイブリッドでみられるようなTg以上の温度域での貯蔵弾性率の維持は確認できなかった。 そこで次に、製膜前の溶液中でアルコキシシランの重合をある程度進行させておく「in situオリゴマー化」と「テトラエトキシシラン(TEOS)の添加」により、最終微細パターン中での無機成分の分子量を増大させることを試みた。PEI、トリメトキシメチルシラン(TMMS)およびTEOSをNMPに溶解させたのちにアルコキシシランのオリゴマー化を行い、得られた溶液にDNQを加えたのちに製膜および予備乾燥を行うことにより薄膜を得た。この膜に対して露光およびPEBを行ったのち、MOEA含有現像液での現像を行ったところ、良好なポジ型微細パターンを得ることができた。得られた微細パターンに再露光およびPDBを行った結果、パターン形状の崩れなどは観測されなかった。さらに、露光→PDB処理を行った薄膜の動的粘弾性測定を行ったところ、Tg以上の温度域においても貯蔵弾性率の低下が抑制されていることが確認された。 また、側鎖型RDPを応用した、N-フェニルマレイミド-スチレン共重合体(PMS)膜表面への露光部表面選択的なアミノ基導入法について、基板表面処理法・膜形成法および現像条件を最適化した。さらに、導入したアミノ基を足場としたATRPについても条件を最適化し、露光部表面選択的な高分子鎖導入を実現した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画において、平成27年度の主な計画として「1.感光性ポリイミド/アルコキシシラン系を用いた有機無機ハイブリッド微細パターンの作製」「2.側鎖型RDPを応用した選択的表面修飾法に基づく露光部表面選択的な高分子鎖の導入」を掲げていた。それに対して、「研究実績の概要」欄に記載したとおり、平成27年度の検討において、上記の「1」および「2」を概ね達成する成果を得たため、全体としては「おおむね順調に進展している」と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
反応現像画像形成法(RDP)の汎用性を証明するため、種々のエンプラ(ポリカーボネート、ポリアリレートなど)とポリシロキサンとのマルチブロック共重合体に対してRDPを適用し、微細パターンを得る。これまでの我々の検討において、RDPでは同一のポリマーからポジ型・ネガ型の両方のパターンの形成が可能であることを明らかにしているので、本ハイブリッド系についてもポジ型・ネガ型の両方の微細パターン形成を目指す。 感光性ポリイミド/アルコキシシラン系については、平成27年度の成果をさらに発展させ、アルコキシシランの構造やin situオリゴマー化条件、PDB条件などを最適化することにより、よりハイブリッド性の高い微細パターンを得る。 側鎖型RDPを応用した露光部選択的表面修飾法については、露光部表面に導入したアミノ基を利用した無電解めっきにより金属微細パターンを形成する。また、現像時の求核剤を変更しアミノ基以外の官能基による表面修飾を行い、この官能基を足場とした元素ブロック導入を検討する。
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Research Products
(14 results)