2015 Fiscal Year Annual Research Report
光応答性元素ブロック高分子の表面パターニング特性とデバイス応用
Publicly Offered Research
| Project Area | Creation of Element-Block Polymer Materials |
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| Project/Area Number |
15H00768
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| Research Institution | Kansai University |
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Principal Investigator |
宮田 隆志 関西大学, 化学生命工学部, 教授 (50239414)
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| Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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| Keywords | 元素ブロック / 動的架橋 / 光応答性 / 表面パターニング / 表面物性 / 金属ナノ粒子 / 光二量化 / ポリジメチルシロキサン |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究では，表面パターニングできる光応答性元素ブロック高分子材料の創出を試み，平成27年度は以下のような研究成果が得られた。
(i)様々な光応答性元素ブロック高分子の合成：新たに光二量化基を有するメタクリレート系モノマーを合成し，ポリジメチルシロキサン(PDMS)マクロモノマーとの共重合によって光二量化基含有シリコン系元素ブロック高分子を合成した。この高分子に光照射したときのスペクトル変化を調べ，光二量化することを明らかにした。
(ii)光応答性元素ブロック高分子の表面パターニング特性の検討：得られた光応答性高分子にフォトマスクを通して光照射すると，光照射の有無によって明確な表面パターンが形成された。広域波長の光を照射すると光照射部分の膜厚が大きく減少した。このような大きな膜厚変化は，光二量化反応による架橋構造形成に基づいて自由体積が減少するためだけではなく，250nm以下の短波長の光によってPDMS成分が光分解されることも一員であると考えられた。しかし，270nm付近の狭い波長領域の光照射では，PDMS成分の分解は生じず，光架橋に基づく自由体積変化が表面パターン形成と直接関係していると考えられた。
(iii)光応答性元素ブロック高分子／金属ハイブリッドの調製と光学・電気材料への応用：金属元素ブロックとして金ナノ粒子(AuNP)や銀ナノ粒子(AgNP)を光応答性元素ブロック高分子に分散させるために，様々なチオール化合物で表面疎水化したAuNPとAgNPを調製した。これらの表面改質金属ナノ粒子を光応答性元素ブロック高分子のキャスト溶液に均一分散させ，スピンコート法によってフィルムを調製した。その結果，ある程度の含有率まではフィルム内に金属ナノ粒子を比較的均一分散することができた。また，その金属ナノ粒子の分散状態によってハイブリッドフィルムの色彩が大きく変化した。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新たに光二量化基を有するメタクリレート系モノマーを合成し，PDMSマクロモノマーとの共重合によって比較的容易に光応答性元素ブロック高分子を合成することに成功した。その結果として，比較的分子量の大きな光応答性元素ブロック高分子が得られ，スピンコート法によって均一な薄膜の調製が可能となった。また表面疎水化した金ナノ粒子と銀ナノ粒子の調製にも成功し，それらを分散させた光応答性有機-無機ハイブリッドフィルムも調製できた。このように新規な光応答性元素ブロック高分子の設計に成功し，その光パターニングと金属ナノ粒子の分散に成功しているため，当初の予定通り順調に進展していると評価した。
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| Strategy for Future Research Activity |
平成28年度も引き続き，ケイ皮酸やクマリンなどの光二量化基を有する光応答性元素ブロックの合成を行い，光二量化の可逆性の効果も検討する。また，様々な組成の光応答性元素ブロック高分子を合成し，その光応答挙動に及ぼす共重合組成の影響を調べる。また，光応答性元素ブロック高分子の表面パターニング特性を詳細に検討するため，光の波長や照射時間の影響を調べ，最適な分子構造の光応答性元素ブロック高分子を設計する。さらに，表面改質した金属ナノ粒子や金属ナノロッドをその光応答性元素ブロック高分子からなるフィルムに均一分散させ，光照射したときの分散状態の変化を電子顕微鏡観察や分光法によって詳細に検討する。この光応答性有機-無機ハイブリッドフィルムの表面抵抗を測定し，光照射による電気物性の変化を調べる。これらの結果に基づいて，光応答性元素ブロック高分子材料の光学材料や電気材料への応用の可能性を議論する。
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Research Products
(21 results)
