2015 Fiscal Year Annual Research Report
可視光同時撮像による重力波天体の同定と出現環境の研究
Publicly Offered Research
Project Area | New development in astrophysics through multimessenger observations of gravitational wave sources |
Project/Area Number |
15H00774
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
土居 守 東京大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (00242090)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 重力波天体 / キロノバ / 可視光同時撮像 / ダイクロイックミラー |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は主に15バンド同時撮像装置DMCの高感度化の準備を行った。計画時に提案をした可視長波長側が高感度の浜松ホトニクス社製の完全空乏層型のCCDを6個を購入、他の財源とあわせて13個を用意した。また、他の財源によってCCDを搭載するための新たなデュワーの設計や読み出しエレクトロニクスに必要な部品類の購入を行った。実際のデュワーや読み出し回路の製作は平成28年度となる。 また、米国の重力波望遠鏡aLIGOによる重力波アラートの追加観測を日本の追加観測チームJ-Gem(代表 広島大学吉田道利教授)と連携して木曽観測所の1mシュミット望遠鏡とKWFCカメラ等を用いて行った。そのうちでGW150914については、aLIGO-VIRGOチームよりブラックホール連星系の合体現象であったと発表された。そこでJ-Gemの観測結果(観測範囲に候補現象は発見できず)の投稿準備を行った。 本研究で完成するDMCに重力波天体の可視残光候補を供給するのに最有力な観測装置は、木曽観測所のシュミット望遠鏡に搭載されるトモエゴゼンカメラである。今年度は8個のセンサーを搭載したプロトライプモデルのたちあげに協力し、順調に試験観測を実施した。 また重力波天体が予想よりも早く発表され始めたことに対応し、同定観測に早期に対応するため、現在国内で最も暗い可視変光天体の分光観測が可能である、西はりま天文台口径2m望遠鏡と可視低分散分光器LISSによる追加観測体制についても検討を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本計画は、15バンド同時撮像装置DMCのCCDを高感度の完全空乏層型CCDに交換し、暗い重力波天体の可視光同定に備えることが目的である。予算に限りがあり、初年度ではすべてのCCDを購入することはできなかったが、15個のうち13個まで購入することができた。ただ、2016年度分で残り2個の購入は可能なので、新年度にすぐ購入、交換を進めていくことが可能である。
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Strategy for Future Research Activity |
2016年度には、15バンド同時撮像装置のCCDのすべての交換を終え、実験室での試験を行う。さらに、国内の望遠鏡に取り付け、試験観測を行うことで、研究目的を達成する。
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Research Products
(1 results)