2016 Fiscal Year Annual Research Report
重力波データ解析における統計的方法論の整備
Publicly Offered Research
Project Area | New development in astrophysics through multimessenger observations of gravitational wave sources |
Project/Area Number |
15H00787
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Research Institution | The Institute of Statistical Mathematics |
Principal Investigator |
間野 修平 統計数理研究所, 数理・推論研究系, 准教授 (20372948)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 宇宙物理 / 情報基礎 / 統計科学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,重力波データ解析における統計的方法論の整備を目的としました.典型的な困難に,定常雑音の非ガウス性,非定常雑音があります.ここで,重力波を時空の歪みによる光路差を干渉縞の動きとして検出しますが,他の要因による動きは雑音と呼びます.本研究では,特に,定常雑音の定量,環境センサーを用いた非独立性に基づく雑音源の特定,非定常雑音の特徴づけ,ノンパラメトリックな信号の検出,といった重力波データ解析における重要な課題について,正当性のある一貫した方法を開発することを目指しました.重力波望遠鏡KAGRAの試運転が2015年3月から4月にかけて実施され,そのデータ解析も行いました.ここでは,非定常雑音の特徴づけとノンパラメトリックな信号の検出について説明します.非定常雑音は,波形データの分類という意味でクラスタリングとみなせます.そこで,Dirichlet過程を事前過程とする函数データのクラスタリングを適用しました.以前に稼働した重力波望遠鏡TAMAとKAGRAの試運転のデータに適用したところ,明確にクラスタリングができることが明らかになり,重力波望遠鏡の診断に利用可能なことが分かりました.信号の検出については,2015年9月に米国の重力波望遠鏡LIGOで検出されたようなコンパクト連星やブラックホールの合体であれば,波形の理論値を計算できるので典型的な手法で十分ですが,例えば超新星爆発に伴う重力波では,波形の理論値を計算できないという困難があります.この問題は時系列からの信号の抽出ですが,ノンパラメトリックな手法,ベイズ的な手法を適用することを検討しました.
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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