2015 Fiscal Year Annual Research Report
3次元シミュレーションを用いた超新星からの重力波放出の予言
Publicly Offered Research
Project Area | New development in astrophysics through multimessenger observations of gravitational wave sources |
Project/Area Number |
15H00789
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
滝脇 知也 国立研究開発法人理化学研究所, 長瀧天体ビッグバン研究室, 客員研究員 (50507837)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 重力波 / 流体不安定性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,超新星爆発から生じる重力波によって,中心のダイナミクスを解き明かすことを目的とする.具体的には大質量星の重力崩壊時に生じる超新星爆発の中心エンジンの3次元シミュレーションから,様々な流体不安定性等によって生じる非等方な運動を抜き出し,そこから四重極公式を用いて重力波を計算する. 超新星爆発を考える際には親星の性質により,3つの環境での爆発が考えられる.一つは無自転,無磁場のもの,二つ目は高速自転,無磁場のもの,三つ目は高速自転,強磁場のものである. まず,一つ目の無自転,無磁場の研究では,世界で初めて降着衝撃波不安定性が中心コアをそのまま揺らしてでてくる重力波を発見した.普通は降着衝撃波不安定性はランダムなダウンフローになり,対流安定層をたたくことで重力波を放出するが,ここで発見されたものはメカニズムと周波数が異なっている.この結果は論文投稿間近である. 次に二つ目の高速自転,無地場のものでは,これも世界で初めて現実的な状況でシミュレーションを行い,重力波,ニュートリノのシグナルを計算した.現実的とはここではセルフコンシステントなニュートリノトランスポートを解き,赤道面などに対称性を課さない計算を指す.この結果は得意な超新星爆発を起こすのでまずはその結果を論文にした.現在査読中である.受理され次第,重力波の論文の執筆に取り掛かる. 三つの目の高速自転,強磁場の文脈では既に2011年に重力波の論文を執筆している.今回はこの流体の結果に基づく元素合成を研究し,このような爆発ではr-process元素が起こることを明らかにした.この結果についても論文を書き,Nishimura et al. 2015としてApJに受理されている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究をまとめ,論文を投稿したため.
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Strategy for Future Research Activity |
計算結果をまとめ,論文執筆を精力的に行いたい.
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Research Products
(4 results)