2015 Fiscal Year Annual Research Report
中性子星において回転する超流動体の研究
Publicly Offered Research
Project Area | Nuclear matter in neutron stars investigated by experiments and astronomical observations |
Project/Area Number |
15H00841
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
新田 宗土 慶應義塾大学, 商学部, 准教授 (60433736)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 中性子超流動 / トリプレット超流動 / 量子渦 / 半整数量子渦 / 非可換量子渦 |
Outline of Annual Research Achievements |
磁場下のトリプレットの中性子超流動をGinzburg-Landau理論を用いて解析した。基底状態を決定し、整数渦の解を構成しその性質を調べた。渦の内部で自発磁化があることを見出した。 高密度QCDのクォーク物質において、カラーフレーバー固定相においては非アーべリアン渦が存在するが、それによるアハラノフ・ボーム効果を発見した。渦のコアには、マヨラナ・フェルミオンと南部ゴールドストーンモードが局在することが知られていたが、それらの間の相互作用を決定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
中性子超流動の研究においては、1本の出版論文と1本のプレプリントを執筆した。これにより、中性子トリプレット超流動の磁場下での基底状態がわかり、さらに整数量子渦と半整数量子渦の状態がはっきりとした。よって、これだけでも、研究は順調に進んでいる。また、カラー超伝導においては、非アーべリアン渦がアハラノフ・ボーム効果を示すということが、わかった。また、渦のコアにおける、マヨナラ・フェルミオンと南部ゴールドストーンボソンの相互作用を決定した。これらの部分は、当初の研究計画に入っていなかった結果であるので、全体としては当初の計画以上に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
中性子超流動においては、中性子星の実際の観測とつなげる結果を出したい。また中性子星のパルサー・グリッチ現象などを、非可換な渦を用いて説明をしたい。 カラー超伝導においては、アハラノフ・ボーム効果の物理的な帰結を議論して、これも中性子星の観測可能量と結びつけたい。
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Research Products
(6 results)