2015 Fiscal Year Annual Research Report
非線形整数計画問題の組合せ構造解析による計算限界の解明
Publicly Offered Research
Project Area | A multifaceted approach toward understanding the limitations of computation |
Project/Area Number |
15H00848
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
塩浦 昭義 東京工業大学, 工学院, 准教授 (10296882)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 整数計画問題 / 非線形関数 / 離散凸関数 / 離散凸解析 / 計算量 / アルゴリズム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,整数格子点上で定義される非線形な関数(以下,離散関数)が与えられ,それを最小化する整数ベクトルを求める,という非線形整数計画問題を扱う.本研究では,離散関数の多面体構造に注目し,効率的に最小化可能な離散関数のクラスを,その凸閉包関数の多面体構造によって特徴付けることを目的とする. 本年度は,離散凸関数のクラスであるL凸関数の多面体構造について調査し,それを元にして,L凸関数に最急降下法を適用したときに,解の軌跡は最適解への最短ルートをたどること,および各反復での解の移動方向の傾きの絶対値が単調に減ることを示した.この成果に関連する研究として,幾つかの経済モデルにおける均衡解の解析を行い,その均衡解の計算がL凸関数最小化問題に帰着できることを示した.また,離散凸解析の過去の成果を利用することにより,均衡解が安定性などの様々な良い性質を有することを明らかにした. 次に,処理時間が可能であり,処理開始時間および処理締切時間が異なるジョブに対する1機械スケジューリング問題に対し,分割統治法に基づく高速解法を提案した.この研究においては,まず対象となるスケジューリング問題の多面体構造を解析し,その解集合が劣モジュラ多面体という良い構造をもつ多面体であることを明らかにした.その結果,ある種の貪欲アルゴリズムにより最適解が得られることが分かったが,その計算時間を短縮するために,劣モジュラ多面体のもつ性質を活用して,分割統治法により貪欲解が得られることを示した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
L凸関数最小化問題の多面体構造を明らかにすると共に,関連する問題に対して幾つかの新たな結果を得ることができた.それらの結果は数本の学術論文として形になっているので,研究の進捗状況は順調といえる.
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Strategy for Future Research Activity |
現在は順調に研究が進んでいるので,このペースで継続すれば本研究課題の解決に繋がると期待できる.これらの研究を進める上で,とくに研究上の困難を克服する際には,研究協力者からの支援を求める予定である.
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Research Products
(8 results)