2015 Fiscal Year Annual Research Report
大気圧プラズマによるゲノム応答機構の解明と治療への展開
Publicly Offered Research
Project Area | Plasma medical innovation |
Project/Area Number |
15H00892
|
Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
近藤 隆 富山大学, 大学院医学薬学研究部(医学), 教授 (40143937)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 活性酸素 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、ナノテクノロジーの医療応用の研究が進み、ナノ粒子は、疾患の診断や治療のための媒体として有望視されており、その臨床応用も進みつつある。金属をナノスケールまで、微小化すると一般の特性とは異なる性質を示すことがある。ナノ化された白金粒子は、スーパーオキシドディスムターゼ(SOD)およびカタラーゼ活性を示すことが報告されているので、白金ナノ粒子(Nano-Pt)を用いて、大気圧プラズマ誘発アポトーシスに対する作用について調べた。大気圧非平衡アルゴン(Ar)プラズマ発生条件は印加電圧18 kV、周波数:20 kHz、ガス流量:2 l/min.である。調べたところプラズマによる化学作用も距離に反比例するので、主な実験は照射口から8 mmの距離で行った。プラズマの化学的指標として、水溶液中に生成するOHラジカル(・OH)等についてDMPO (5,5-dimethyl-1-pyrroline-N-oxide)をスピン補捉剤として用いてEPR‐スピン補捉法で検討した。Arプラズマを照射した細胞内活性酸素種の測定には5種類の蛍光試薬を用いフローサイトメトリーで調べた。細胞内に生成する活性種は・OH,H2O2,OCl-,および僅かなO2.- と思われる。尚、水溶液中に亜硝酸塩の生成が認められるので、細胞内にも存在すると思われる。Nano-Ptを利用して、これらの活性酸素種の除去およびアポトーシスへの影響を検討した。その結果、有意な細胞内活性酸素種の低下およびアポトーシス抑制効果を認めた。現在、窒素添加効果、温熱併用効果についても検討している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
細胞内外の活性酸素生成、プラズマ移送気体への窒素添加、ナノ白金粒子添加効果など、論文として公表できた。
|
Strategy for Future Research Activity |
細胞内への活性酸素の導入、揮発性溶質への影響など、検討する予定である。
|
Research Products
(8 results)
-
-
-
[Journal Article] Cell survival of glioblastoma grown in medium containing hydrogen peroxide and/or nitrite, or in plasma-activated medium2016
Author(s)
Kurake N, Tanaka H, Ishikawa K, Kondo T, Sekine M, Nakamura K, Kajiyama Hi, Kikkaw F, Mizun M, Hori M
-
Journal Title
Arch Biochem Biophys
Volume: 未定
Pages: 未定
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
-
-
-
-
-