2016 Fiscal Year Annual Research Report
構造ストレスの付与と解放を利用した多感応性機能分子の創製
Publicly Offered Research
Project Area | Stimuli-responsive Chemical Species for the Creation of Functional Molecules |
Project/Area Number |
15H00914
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
鍋島 達弥 筑波大学, 数理物質系, 教授 (80198374)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 応答性分子 / 協同効果 / 超分子化学 |
Outline of Annual Research Achievements |
典型元素を有する化合物は配位環境から電子的および構造的な摂動(ストレス)を受けるとその構造、反応性および物性が大きく変化しうるので、これを利用すれば新規な機能をうまく発現させることが可能となる。本研究ではこの点に着目して、優れた発光性をもつジピリンの典型元素錯体および金属錯体を用いて感応性の機能性分子および超分子の構築について研究を行ってきた。 本年度はこれまでの研究で重点を置いていたジピリン骨格にフェノール性水酸基を導入したN2O2型ジピリンを種々合成するとともに、それらの特異な光学特性や外場応答性についてさらに詳細に調べ、明らかにした。例えば二つのN2O2型ジピリン部位をもつ大環状化合物に一つだけホウ素を選択的に導入する方法を開発し、このモノ体にさらにアルミニウムやガリウムを導入することで二つの異なる典型元素を有する環状体の合成に初めて成功した。さらにその詳細な構造や光学特性についても明らかにした。また、BF2部位をもつジピリンのホウ素錯体であるBODIPYのB-F結合を認識部位とする環状ホストを種々合成し、すでに前年度に得られている三量体についてはそのゲスト認識能をさらに詳しく調べることで、この分子がアドレナリンを擬ロタキサン型で認識し、優れた人工アドレナリンレセプターとなることを見いだした。また分光学的手法および理論計算による詳細な検討から、この強い認識力は天然のアドレナリンレセプターの認識様式に類似した多重の特徴的な取り込みによるものであることを明らかにした。この他に、より大きなBODIPY多量体を合成してその光学特性や特異な構造を明らかにした。これらの大環状化合物も、いくつものフッ素原子が内側に向いた構造をもつため、外場に応答した分子認識能など高い機能をもつ感応性化学種になると期待される。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(70 results)