2016 Fiscal Year Annual Research Report
非在来型-金属硫黄クラスターの構造モデル創製と性質
Publicly Offered Research
Project Area | Stimuli-responsive Chemical Species for the Creation of Functional Molecules |
Project/Area Number |
15H00936
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
大木 靖弘 名古屋大学, 理学研究科, 准教授 (10324394)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | クラスター / 金属 / 硫黄 / 酵素 / 活性中心 |
Outline of Annual Research Achievements |
酸素耐性型[NiFe]ヒドロゲナーゼのタンパク結晶構造が2011年に報告された。酸素耐性型のタンパクには、Ni-Fe活性中心に隣接して先例のない構造の[Fe4S3]クラスターが存在し、このクラスターの酸化還元特性と構造の柔軟性が、酸素耐性のために重要であると考えられている。本研究では、非在来型金属-硫黄クラスターの一種である[Fe4S3]クラスターを新たな合成標的とした。 研究代表者等が開発してきた、非極性の有機溶媒中で行う鉄硫黄クラスターの合成反応を発展させ、フェノキシド部位を含む[O,O,O]三座配位子の存在下で、鉄アミド錯体とTipチオール (Tip = 2,4,6-iPr3C6H2)および無機硫黄を順次反応させた。その結果、酸素耐性型[NiFe]ヒドロゲナーゼに特有な[Fe4S3]クラスター構造を含む、新規[Fe10S5]クラスターが、少量ながら得られた。分子構造から求めた[Fe10S5]クラスターの酸化数はFe(III)2Fe(II)8であり、[Fe4S3]クラスターの還元状態と予想されているFe(III)1Fe(II)3と同程度、あるいはやや還元されていると考えられる。[Fe4S3]クラスターは最高でFe(III)3Fe(II)1状態を取り、また最高酸化状態へ至る過程で構造を変化させると考えられていることから、[Fe10S5]クラスターの酸化還元特性や構造の柔軟性には興味が持たれる。 以上、本研究では、酸素耐性型[NiFe]ヒドロゲナーゼに特有な[Fe4S3]クラスター構造を含む[Fe10S5]クラスターが生成する反応を見出した。ただし、現在のところ低収率にとどまっており、合成反応の再現性にも難があることから、合成条件の最適化や生成物の詳細なデータ収集が、今後の課題として残されている。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(14 results)