2015 Fiscal Year Annual Research Report
複素五員環を連結させた酸化還元感応性分子の集積と機能化
Publicly Offered Research
Project Area | Stimuli-responsive Chemical Species for the Creation of Functional Molecules |
Project/Area Number |
15H00954
|
Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
西長 亨 首都大学東京, 理工学研究科, 准教授 (30281108)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 分子導体 / オリゴマー / ラジカルカチオン / πダイマー |
Outline of Annual Research Achievements |
チオフェン(T)とN-メチルピロール(P)をα位で連結させ、メトキシ基の導入により高いラジカルカチオンの安定性とπダイマー形成能を示すTPT(OMe)ユニットとプロピレンジオキシチオフェン(P)を組合せ、片末端に安定中性ラジカルであるニトロニルニトロキシド(NN)を置換させたヘテロ五員環オリゴマーTPT(OMe)-P-NNを合成し、1価の銀イオンによる一電子酸化により生成したラジカルカチオンが、ジクロロメタン中低温でπダイマーを形成することを確認した。またπダイマー形成に伴い、特徴的にESRシグナルが変化することを明らかにした。 一方、β位のフェニル基の嵩高さのためπダイマー形成を部分的に抑制するベンゾジチオフェンBDT(Ph)とTPT(OMe)との混合オリゴマーTPT(OMe)-BDT(Ph)-TPT(OMe)およびTPT(OMe)-BDT‐BDT-TPT(OMe)を合成し、2当量の銀イオンによる2電子酸化によりジカチオンジラジカルが生成することを確認した。さらにジクロロメタン中、低温でπダイマーを形成することを明らかにし、超分子型の導電性ワイヤーの構築に向け基礎的な知見を得ることができた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は、πダイマーの電子構造を詳細に解明することを目的とした安定ラジカル置換ラジカルカチオン塩の発生とπダイマー形成に伴う特徴的なESRシグナルの観測、およびジラジカルジカチオンのπダイマー形成が可能な分子を合成することができ、今後の進展の鍵となる結果を得ることができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
今年度得られた知見をもとに、安定ラジカル置換ラジカルカチオン塩の特徴的なESRシグナル変化を解釈し、πダイマーの電子構造について理解を深める。また、予備的に得られたジラジカルジカチオンのπダイマー形成が、超分子構造を形成しているかを導電性の異方性などを測定し確認する。
|
Research Products
(5 results)
-
-
[Journal Article] Synthesis, Structures, and Photophysical Properties of pi-Expanded Oligothiophene 8-Mers and Their Saturn-like C60 Complexes2015
Author(s)
Hideyuki Shimizu, José D. Cojal González, Masashi Hasegawa, Tohru Nishinaga, Tahmina Haque, Masayoshi Takase, Hiroyuki Otani, Jürgen P. Rabe, Masahiko Iyoda
-
Journal Title
J. Am. Chem. Soc.
Volume: 137
Pages: 3877-3885
DOI
Peer Reviewed
-
-
-