2015 Fiscal Year Annual Research Report
表面重合した新規ナノ炭素細線の分子レベル電子計測
Publicly Offered Research
Project Area | pi-System Figuration: Control of Electron and Structural Dynamism for Innovative Functions |
Project/Area Number |
15H00995
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
坂口 浩司 京都大学, エネルギー理工学研究所, 教授 (30211931)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 表面反応 |
Outline of Annual Research Achievements |
グラフェンナノリボン(GNR)は、“有限幅を持つグラフェン”すなわち一次元量子構造であり、分子幅やエッジ構造に依存した優れた半導体的性質を持つことが理論的に予測され、高性能デバイスとして期待される新物質である。本提案では、我々が開発した2ゾーン型ラジカル重合化学気相成長法を用い、分子設計した原料分子を、高い反応性を持つ気固界面(原料分子ー金属表面)で重合・脱水素縮環することにより、従来困難であったジグザグエッジ型などの新しい構造を持つGNRの合成を目指す。また、走査トンネル顕微鏡を用いた化学構造の可視化・電子状態計測やナノギャップ電極を用いた分子電導計測を目指す。我々が分子設計したZ型前駆体分子を用いると、表面分子変形、ホモキラル重合、高効率分子内縮環反応が表面上を起こり、非常に高い効率でアセン型グラフェンナノリボンを表面合成することが明らかになった。その起源を探索し、Z型分子が表面上で非対称に変形して、立体識別的に表面重合を起こすことがこのような高効率反応の引き金となっていることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
我々が分子設計したZ型前駆体分子を用いると、表面分子変形、ホモキラル重合、高効率分子内縮環反応など、従来に無い新しい表面反応を見出すことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度得られた知見を基にして、非対称構造を持つZ型前駆体分子を設計し、効率の良い表面分子変形を起こすと共に、表面重合や分子内脱水素縮環反応を目指す。
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Research Products
(15 results)