2015 Fiscal Year Annual Research Report
ダイヤモンドスピンセンサーを用いた室温ナノスピン変換
Publicly Offered Research
Project Area | nano spin conversion science |
Project/Area Number |
15H01024
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
AN TOSHU (安東秀) 北陸先端科学技術大学院大学, マテリアルサイエンス研究科, 准教授 (70500031)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | NV中心 / 磁気共鳴 / ナノスピン計測 / 共焦点顕微鏡 |
Outline of Annual Research Achievements |
スピン波からダイヤモンド中のNV中心へスピン情報を変換する研究を行った。具体的には、磁性絶縁体であるイットリウム鉄ガーネット(YIG)上において左端から右端へと伝搬する表面スピン波を励起する。この際に、YIG試料上の右端上にNV中心を含有するナノダイヤモンド粒子を予め分散しておき、左端から伝搬したスピン波によりNV中心中の単一スピンを励起して、スピン波からNV中心へのスピン変換を実現する実験を行った。先ず、YIG中に表面スピン波を励起し、且つ、NV中心の磁気共鳴周波数にも相当する印加磁場と励起マイクロ波周波数を見積もった。続いて、表面スピン波励起の確認を共焦点顕微鏡下で行った。また、独立にガラス基板上に分散した少数のナノダイヤモンドを含有したNV中心からの磁気共鳴信号検出に成功した。以上の準備を終え、スピン波励起とNV中心からのスピン信号計測を同時に観測可能な、マイクロ波と共焦点顕微鏡から成る装置の構築を終えることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していた、強磁性体の磁化をダイヤモンド中のNV中心を用いて直接計測することや、磁性体へのスピントルクによる変調等の計測には至っていないが、スピン波の励起パラメーターの最適化と少数のNV中心を含んだナノダイヤモンド粒子中のNV中心からの磁気共鳴信号の計測に成功しており、研究が進展しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
先ず、スピン波励によるNV中心のスピン励起の計測の実現に注力したい。これにより、極小のスピン検出器としてのNV中心の有用性を実証することができる。この成果と、要素技術をもとに、より精細で高感度な計測が求められる、スピンホール効果の計測を、今後、成功させたい。
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Research Products
(2 results)