2015 Fiscal Year Annual Research Report
高圧液体キセノンを用いた0ν2β探索の基礎研究
Publicly Offered Research
Project Area | Revealing the history of the universe with underground particle and nuclear research |
Project/Area Number |
15H01026
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
上島 考太 東北大学, ニュートリノ科学研究センター, 助教 (80605379)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 二重ベータ崩壊 / 液体キセノン |
Outline of Annual Research Achievements |
高圧液体キセノンを用いたニュートリノを放出しない二重ベータ崩壊探索の基礎研究を行った。エネルギー付加による不感領域をなくすため、高圧液体キセノンを入れる容器をプラスチックシンチレータで作成し、KamLAND-Zen実験で問題となっている214Biを低減する。また液体キセノンを用いることで宇宙線ミューオンにより生じる10Cのバックグラウンドを大幅に低減できる。また液体キセノンは密度が大きく、1トンのキセノンで僅か直径1mほどでコンパクトな探索領域を実現できる。 本年度は高圧用プラシン容器の開発を行い、水圧テストにより4.2MPa以上の耐圧があることを実証した。実際に4.4MPaの高圧液体キセノンをプラシン容器に導入することに成功した。 将来の大型化に向けた研究も開始し、プラスチックシンチレータの高圧に耐えうる接続方法を開発した。またプラスチックシンチレータ容器の内部バックグラウンドの分析を行い、洗浄を施さない状態でU/Thの放射性不純物量が12ppt/28pptと有限値が得られた。希酸で表面を洗浄するとU/Thとも5ppt以下と検出限度以下まで低減でき、ほとんどの放射性不純物がプラスチックシンチレータの表面に付着したものである可能性が高い事が判明した。 今後、高圧液体キセノンのシンチレーション光を可視光に変換し、光センサーで読み出しプラスチックシンチレータの発光波形と液体キセノンのシンチレーション波形を区別してどの程度バックグラウンドが低減できるか評価していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
高圧のプラシン容器の開発に成功し、高圧液体キセノンの導入も行った。本研究はおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、真空紫外領域で波長変換効率の良いTPB波長変換剤をプラスチックシンチレータに溶かし込んだ容器を開発し、高圧液体キセノンを導入する。高圧液体キセノンのシンチレーション光を可視光に変換して読み出し、プラスチックシンチレータの発光波形と高圧液体キセノンのシンチレーション光の波形をどの程度区別できるか評価して行く。
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Research Products
(1 results)