2016 Fiscal Year Annual Research Report
気液2相型Ar光検出器の開発と高感度化
Publicly Offered Research
Project Area | Revealing the history of the universe with underground particle and nuclear research |
Project/Area Number |
15H01038
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
寄田 浩平 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (60530590)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 暗黒物質 / 液体アルゴン / 気液2相式 / 真空紫外光 / TPC |
Outline of Annual Research Achievements |
低質量WIMP(10GeV/c^2)の探索に向け、今年度は以下の項目に注力し研究を進めた。 ①環境γ線の定量的な理解と鉛シールド増強によるAr39の観測と評価、②低エネルギー領域の電子反跳事象の理解、③30cmドリフト・プロトタイプ検出器構築とAr純化、④有効質量30kgの本検出器の設計・一部構築、⑤神岡地下環境での環境中性子測定、⑥探索感度の算出 Ar39はAr中に1Bq/kg程度含まれる放射線同位体であるため、最終的に残る電子反跳背景事象となる。検出器周囲に約4トンの鉛を増強設置し、環境γ線を遮蔽した結果、Ar39量が誤差の範囲内で文献値と一致することを示した。また、各種γ線源・中性子線源を用いて、低エネルギー領域での波形識別変数の評価も行った。また、本検出器に向けた30cmドリフト検出器を構築し、CW増幅回路にて40kVの電圧印加が実装可能なことを示した。純化システムにより、本実験に十分な高純度(電子減衰時定数で1ms以上)を達成することができた。また地下実験に向けて、液体シンチレータを用いた神岡地下施設での環境中性子測定も行った。1MeV以上の高エネルギー領域で地上に比べて1000分の1程度になる結果を得たが、低エネルギー領域では検出器部材の放射線背景事象が支配的になり、算出が困難なことがわかった。さらなる理解に向けて検出器の純化を進める必要がある。一方、検出器部材の低バックグランド化に向けた種々部材スクリーニング、系列放射線核種の観測と活性炭による除去の検討も並行して推進した。それらを統合し、本検出器の設計を一通り終了、実際に100kg・days程度でも閾値を下げることで10GeV/c^2WIMPの探索が可能なことを示した。以上により、当初目標に掲げた開発要素と高感度化に関する課題をほぼクリアし、それらの成果は学術論文、国際学会、国内学会において公表した。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(19 results)