2016 Fiscal Year Annual Research Report
ドープ原子ホログラフィーによる高臨界温度鉄系超伝導体の設計と創成
Publicly Offered Research
Project Area | 3D Active-Site Science |
Project/Area Number |
15H01047
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
工藤 一貴 岡山大学, 異分野基礎科学研究所, 准教授 (40361175)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 鉄系超伝導体 / 蛍光X線ホログラフィー |
Outline of Annual Research Achievements |
鉄系超伝導体Ca1-xPrxFe2As2において、蛍光X線ホログラフィーの実験を行った。Ca1-xPrxFe2As2は、ThCr2Si2型超伝導体の中で最も高い49 Kの超伝導転移温度を示す一方、超伝導体積分率が僅か数%の化合物である。STM/STSの実験では、Pr原子の周りでのみ超伝導ギャップが観測されている。本研究では、この化合物がPr原子の周りでのみ高温超伝導を発現する原因を明らかにするため、SPring-8のBL13XUにおいて蛍光X線ホログラフィーの実験を行い、Caの周りとPrの周りの局所構造を3次元的に可視化して比較した。 昨年度、S/Nが悪いながらも原子像を再生することに成功していたが、データの精度が低く詳細な解析を行うことができなかった。一方、今年度は、検出器周りの条件を最適化し、精度の高い実験に成功した。その結果、Prを含まない母物質において、Caの周りのAs位置が著しく揺らいでいることを見出した。さらに、Prを10%ドープした試料において、Prの周りでは、母物質と比べてAs位置の揺らぎにほとんど変化がなく、一方、Caの周りでは、母物質と比べてAs位置の揺らぎに著しい増大が生じていることを見出した。これらの結果は、超伝導転移温度49 Kの超伝導がPrの周りでのみ局所的に発現することと矛盾しない。本研究の結果は、As位置の揺らぎと高温超伝導発現の間に密接な関係があることを示唆する。
|
Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Remarks |
研究課題名:ドープ原子ホログラフィーによる高臨界温度鉄系超伝導体の設計と創成http://soran.cc.okayama-u.ac.jp/view?l=ja&u=ce0bea3fbe26c80274506e4da22f6611&n=工藤&sm=name&sl=ja&sp=1
|
Research Products
(19 results)
-
-
-
-
-
-
[Journal Article] Temperature dependent local atomic displacements in ammonia intercalated iron selenide superconductor2016
Author(s)
E. Paris, L. Simonelli, T. Wakita, C. Marini, J.-H. Lee, W. Olszewski, K. Terashima, T. Kakuto, N. Nishimoto, T. Kimura, K. Kudo, T. Kambe, M. Nohara, T. Yokoya, N. L. Saini
-
Journal Title
Scientific Reports
Volume: 6
Pages: 27646 (1-8)
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research / Acknowledgement Compliant
-
-
-
-
[Presentation] 鉄系超伝導体PrドープCaFe2As2の蛍光X線ホログラフィー法による局所構造解析2016
Author(s)
井岡賢志, 工藤一貴, 八方直久, 太田弘道, 戎佳宏, 木村耕治, 波田拓馬, 山本健太, 木村拓海, 宮内後太朗, 柊輝, 細川伸也, 林好一, 野原実
Organizer
物性研究所短期研究会「原子層上の活性サイトで発現する局所機能物性」
Place of Presentation
東京大学物性研究所(千葉県・柏市)
Year and Date
2016-12-20 – 2016-12-21
-
-
-
[Presentation] PrドープCaFe2As2の大型単結晶育成と蛍光X線ホログラフィーによるドーパント周りの局所構造解析2016
Author(s)
井岡賢志, 工藤一貴, 八方直久, 太田弘道, 戎佳宏, 山本健太, 木村耕治, 木村拓海, 細川伸也, 林好一, 野原実
Organizer
日本物理学会2016年秋季大会
Place of Presentation
金沢大学(石川県・金沢市)
Year and Date
2016-09-13 – 2016-09-16
-
-
-
[Presentation] PrドープCaFe2As2の蛍光X線ホログラフィー法による局所構造解析2016
Author(s)
井岡賢志, 工藤一貴, 八方直久, 太田弘道, 戎佳宏, 山本健太, 木村耕治, 木村拓海, 細川伸也, 林好一, 野原実
Organizer
科研費新学術領域研究「3D活性サイト科学」第4回成果発表会
Place of Presentation
大阪大学(大阪府・豊中市)
Year and Date
2016-09-10 – 2016-09-11
-
-
-