2015 Fiscal Year Annual Research Report
RNA型原始細胞モデルの構築
Publicly Offered Research
Project Area | Hadean Bioscience |
Project/Area Number |
15H01065
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
梅影 創 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 講師 (30419436)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | RNA / RNA依存的RNA増幅 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度では、①DNA配列非依存的なRNA増幅現象の解明と②RNA増幅現象の制御について研究を行った。 まず、研究課題①においては、RNA鋳型依存的なRNA増幅現象を確認するために、増幅されるRNAを種とし、そこにT7 RNAポリメラーゼを添加することでラグタイムなしにRNAが増幅されることを確認した。これにより、RNAを鋳型としてRNAが指数関数的に増幅されることが確かめられた。次に、増幅されるRNAをクローニングし、塩基配列を決定し、二次構造予測を行った。これらから、AUリッチな配列が増幅されてくること、また増幅されてくるRNAはヘテロな二重鎖構造もしくは単一配列で形成されるヘアピンループ構造を形成することが示された。RNAの増幅を考慮すると、二重鎖として増幅されてくることが予想された。 次に、研究課題②である「RNA増幅減少の制御(再現)」について研究を進めた。 増幅されてくる様々なRNAをサイズに分けて単離し、それぞれを種配列としてRNA増幅の鋳型となるかを検証したところ、どのようなサイズの配列であっても最終的には同一サイズ(76塩基付近)の産物に成長することが明らかとなった。また、塩基配列の結果をもとに有機合成した13塩基のRNAを種配列としてRNAの増幅を検証したところ、①での主生成産物である76塩基付近の合成は未確認であるものの、RNAの増幅が確認され、有機合成RNAをもとにRNAの増幅現象が再現できる可能性が示された。 これら課題①と②のの結果を踏まえ、RNAの指数関数的な増幅に関する現時点での増幅モデルを考案した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画書作成時点での研究計画では、初年度においては、RNA鋳型依存的なRNAの増幅現象についてRNAの等温増幅モデルとして配列レベルで記述し、次年度においては、この増幅現象を再帰性ある分裂リポソームモデル内に封入することによって、RNAの増幅にともなって膜分裂が起こるRNA型原始細胞モデルの構築を目指すこととした。今年度の研究の結果、RNA鋳型依存的なRNA増幅現象の部分的な再現、および増幅されるRNA配列の決定が行えたことから、当初の計画通りおおむね順調に進展しているということができる。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度においては、RNA鋳型依存的RNA増幅現象を次世代シーケンサー解析することにより、より詳細に記述することを行うことと並行して、RNA増幅現象を再帰性ある分裂リポソームモデル内に封入することにより、RNAの等温増幅に連動し膜分裂が起こるシステムを構築する。また、膜分裂前後のRNA配列の分配、ポピュレーションを解析することによって、RNA型細胞が繁栄していく原理(連続的な分裂が起こりうる原理)を明らかにしていきたい。
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Research Products
(13 results)