2016 Fiscal Year Annual Research Report
低分子の光反応と共役した光応答性高分子システムの開発
Publicly Offered Research
Project Area | Application of Cooperative-Excitation into Innovative Molecular Systems with High-Order Photo-functions |
Project/Area Number |
15H01077
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
佐田 和己 北海道大学, 理学研究院, 教授 (80225911)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 光応答性高分子 / 下部臨界共溶温度 / 温度応答性高分子 / 刺激応答性高分子 / 光異性化 / スピロピラン / 光ケージド化合物 |
Outline of Annual Research Achievements |
光によって高分子の形態が大きく変化する光応答性高分子はこれまで主に温度応答性高分子と光反応性の化合物を直接化学結合することによって設計・合成され、汎用性や多様性に欠けるものであった。新しい光応答性高分子の設計として、本研究では、光反応性の低分子(エフェクターと呼ぶ。)を柔軟な高分子と相互作用させることにより、エフェクターの光反応によって高分子の形態・溶解性を変化させることについて検討を行った。 今年度は光ケージド化合物(o-ニトロフェニルベンジル基)の光分解により、アルコールやカルボン酸を遊離させ、尿素官能基をもつアクリル系高分子のエフェクターとして機能させることで、その溶解性を制御し、可視光照射による温度応答性の発現とそのスイッチングに成功した。また相転移温度についても、光照射により簡便に制御することができた。これらの知見は多様な光応答性・温度応答性高分子の設計指針につながるときたできる。並行して、一連のスピロピラン誘導体を用いて、紫外光の照射によって生成するメロシアニンをエフェクターとする尿素官能基をもつアクリル系高分子の相分離挙動について検討を行った。低極性溶媒中では熱戻り反応が速く、エフェクターとして十分な濃度を光反応によって確保することが困難であることが明らかになった。しかしながら、逆に光を十分照射した後、暗所にすることで、自動的に熱戻りし、相分離が誘起できることを明らかにした。これは時間変化を伴う新しい刺激応答性高分子として期待がもたれる。また、新学術領域内での共同研究として、A01班の玉井グループと配位高分子を原料とする半導体ナノワイヤーの励起電子ダイナミクスを明らかにした。また関連して新しい発光材料についても知見を得た。
|
Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(14 results)