2015 Fiscal Year Annual Research Report
胸壁並行断面CT(オニオンスライスCT)による間質性肺炎のコンピュータ支援診断
Publicly Offered Research
Project Area | Multidisciplinary computational anatomy and its application to highly intelligent diagnosis and therapy |
Project/Area Number |
15H01115
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
岩野 信吾 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (90335034)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | コンピュータ支援診断 / 特発性間質性肺炎 / コンピュータ断層撮影 |
Outline of Annual Research Achievements |
特発性間質性肺炎(idiopathic interstitial pneumonia: IIPs)とは、胸部X 線CT 画像上、両側肺野にびまん性陰影を認め、主に肺胞隔壁(間質)を病変の場とする原因不明の疾患の総称である。 研究代表者はIIPs 病変が胸壁直下に好発する点に着目し、胸部3次元CT(3D-CT)データから胸壁から一定の深さ(1cm、2cm...)で胸壁に並行な曲面のcurved MPR 像を再構成すれば、全肺のIIPs 病変を1画像で表示することが可能になるとの仮説を立て、IIPsの新しい3 次元CT 投影像を開発した。本年度はその技術をさらに発展させ、3D表示法(3D-curved high-resolution CT; 3D-cHRCT)を開発した。これはコンピュータのモニタ画面上に立体的なIIPs 病変を表示するもので、本手法により画質劣化を生じることなく、間質性肺炎の3次元的な分布を観察・診断することが可能となった。 本年度にはさらにこの3D-cHRCTを利用して間質性肺炎の病勢の定量評価を試みた。結果として、3D-cHRCTを用いて定量化された間質性肺炎の高吸収域の割合(%HAA)と低吸収域の割合(%LAA)は肺の拡散能(%DLCO)と有意に相関していることが示された。本研究成果については、国際学会であるヨーロッパ放射線会議(ECR2016)においてポスター発表を行い、さらに論文化して国際英文雑誌に現在投稿中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
平成27年度の研究計画では、名古屋大学医学部附属病院のPACS の検索機能を用いてIIPs のCT 画像データを抽出し、これをワークステーションに転送して、 3D-cHRCTを作成し、臨床経過、進行速度、呼吸機能検査所見、予後、病理組織所見を抽出して、 データベース化することが目標であった。これらの作業については概ね順調に進展した。また平成28年度の研究計画に予定していたコンピュータ画像解析によるIIPs の広がり・病勢の定量化も行い、国際学会での発表、論文作成を行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度は平成27年度におこなったIIPs の広がり・病勢の定量化を応用し、IIPsの経過観察における3D-cHRCTの有用性について検討を行う予定である。 また論文の国際英文雑誌でのアクセプトを目指す。
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Research Products
(2 results)