2015 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子発現情報のクラスタリングにもとづいた肺がん組織病理画像の特徴抽出
Publicly Offered Research
Project Area | Multidisciplinary computational anatomy and its application to highly intelligent diagnosis and therapy |
Project/Area Number |
15H01123
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
小野 直亮 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 助教 (60395118)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 組織画像検査 / Deep Neural Network / 遺伝子発現解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度の研究として、The Cancer Genoem Atlas データベースから得られる遺伝子発現プロファイルのデータを元に発現プロファイルの間の距離を元にしたk-means法によるクラスタリングの手法を用いてサンプル群をがんの種類に応じたグループに分割した。 また、組織画像を解析してがんの種類ごとにどのような差異があるかどうかを比較するため、自己復号写像によるマッピングを行った。一般に画像そのものをデータとして扱う解析においては、HE 染色された画像デ ータのうち、RGB の各チャネルのデータを元にノイズ低減、輪郭抽出、また、色成分分離によって細胞核に対応する染色色素を強調するといったフィルタ処理を行うが、本研究においては Deep Neural Network の手法を用いて画像データから自己組織化的に抽出される特徴パターンを利用している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
がんに関する包括的な研究解析のデータベースであるThe Cancer Genome Atlasの組織画像ライブラリをもとに、肺がんの一種である腺がんの組織検査の組織写真画像をデータベース化し、Convolutional Neural Network (CNN) のモデルを構築してパターン学習を行った。自己復号器を用いた学習により、画像から教師なしで特徴抽出を行うモデルを完成させ、抽出した画像パターンをもとにがん組織と正常な平滑筋との判別に成功している。また自己復号器の学習において、情報エントロピーを指標として用いることで、抽出された特徴を判別しやすくすることが可能となった。学習されたフィルタにおいては、エッジ抽出やスポットパターンの抽出によって組織画像の特徴が捉えられ、がん細胞の細胞核や細胞間組織からなるパターンと、平滑筋などの正常組織からなるパターンが区別できている。また遺伝子発現パターンのクラスタリングにより3種類の肺がんの分類が精度よく可能となっている。
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Strategy for Future Research Activity |
学習に使う組織画像のサンプルデータを増やし、またCNNの学習アルゴリズムを改良することで区別できるパターンの種類を増やすことを試みる予定である。また、京都府立医科大学の昌子氏と共同研究で、肺がんモデルマウスを作成し、サンプルを採集、組織画像データの取得を行うと同時に遺伝子発現パターンおよびメタボロミクスによる代謝物質プロファイルの測定などを計画している。学習によって得られた細胞形状の分類と、遺伝子発現プロファイルの差異を比較しベイズ統計を用いてがんの分類との比較を行う。
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Research Products
(1 results)