2015 Fiscal Year Annual Research Report
共焦点内視鏡による消化管神経叢異常の多元的病因解析体系の開発
Publicly Offered Research
Project Area | Multidisciplinary computational anatomy and its application to highly intelligent diagnosis and therapy |
Project/Area Number |
15H01127
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
炭山 和毅 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (90385328)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 共焦点内視鏡 / 消化管神経叢 / 内視鏡 |
Outline of Annual Research Achievements |
神経堤由来の細胞が蛍光を持つGFPマウスモデルを用いたin vivo検討および切除豚臓器モデルを用い、0.1%cresyl violetの漿膜表層への散布および漿膜下層内への注入により、消化管神経叢を共焦点内視鏡により安定して描出するための手技を確立した。特に GFPマウスモデルを用いた検討では、0.1%cresyl violetの漿膜側からの投与により共焦点内視鏡を用いて視覚化される梯子状の構造物が、消化管神経叢の構造と一致することを証明できた。また、本実験を通して、共焦点内視鏡によって観察される消化管神経叢は対象臓器によって密度や神経束、神経節の大きさや細胞数が異なることも明らかになった。 前臨床試験として、小児を対象に、ヒト大腸切除標本を用いたex vivo実験も開始した。すでに20症例の解析を終え、本研究で確立された手技が、人体を対象としても応用可能であることを確認した。Hirshsprung病症例の解析では、同一個体内においても正常部と病変部において消化管神経叢の共焦点内視鏡所見に明瞭な違いが見られることが明らかになった。今後、さらなる症例蓄積に加え、他の疾患やコントロール症例との対比により、共焦点内視鏡を用いて消化管神経叢を観察できることの臨床的意義や適応をより明確にする必要はあるが、従来の画像診断や組織学的解析では視覚化することすら困難であった、生体内の消化管神経叢の解剖組織学的情報が、共焦点内視鏡を漿膜側から用いることによって低侵襲かつ高解像度の画像を用いて分析できることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
動物実験は豚のin vivo実験および粘膜側からの観察についての検討が予定のスケジュールに達していないが、漿膜側からの観察については、すでに28年度に予定していた前臨床試験の症例数に達した。
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Strategy for Future Research Activity |
豚モデルを用いた生体内での共焦点内視鏡による消化管神経叢観察の手技的実現性を検討するとともに、ヒト切除標本を用いた前臨床試験のさらなる症例集積を行い、臨床導入へむけて共焦点内視鏡による消化管神経叢観察の臨床的意義と適応を明確にしていく。
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Research Products
(6 results)