2015 Fiscal Year Annual Research Report
腸管神経による免疫系・上皮系バリアおよび腸内フローラ制御機構解析
Publicly Offered Research
Project Area | Analysis and synthesis of multi-dimensional immune organ network |
Project/Area Number |
15H01149
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
幡野 雅彦 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20208523)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 腸管神経系 / 腸管免疫 / 腸内細菌叢 / 一酸化窒素 |
Outline of Annual Research Achievements |
腸管においては腸内細菌叢が上皮バリア、免疫系バリアにより相互作用を保ちながら共存している。さらに腸管神経系は腸管の運動・分泌・吸収などを制御しているが腸管神経の増加しているNcx KOマウスにおける上皮バリア機構、腸内細菌叢および腸管免疫系についての解析を行った。その結果以下のことを明らかにした。 (1)Ncx KOマウス腸管における免疫細胞の分画について解析したところ粘膜固有層において好酸球の増加を認め週齢が増加するに従い顕著となった。またDCサブセットで減少しているものが認められた。 (2)腸内細菌叢について16SRNAおよびメタゲノム解析を行ったところNcx KOマウスにおいてEnterobacteriaceaeが増加していた。またbacteroidetes門のS24-7 familyがKOマウスにおいて減少、firmicutes門のPeptostreptococcaceae, Eubacteriaceaeなどが増加していた。一方KOマウスの糞便を野生型マウスに移植したところDSS腸炎がコントロール群(野生型糞便移植)に比べて増悪した。以上よりNcx KOマウス腸管においてはDysbiosisをきたしており、より病原性の高い細菌が増加していることが示唆された。 (3)NcxKOマウスにおいて一酸化窒素産生ニューロンの増加が認められる。腸内細菌についてNO還元酵素の1つであるNorV陽性細菌について調べたところKOマウスにおいて有意に増加していた。腸管内において一酸化窒素のストレスにより増加したことが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
腸管神経増加をきたすNcx KOマウスにおける腸内細菌叢の変化および上皮バリアの以上について明らかにすることができた。現在この部分については論文投稿準備中である。また免疫学的解析については粘膜固有層の好酸球増加について見出しており、その他にもDCの異常、IgA産生の異常を見出しており、おおむね予定通りに進んでいると評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度に見出している免疫学的異常についての解析を進めるとともに本課題の大きなテーマである4次元空間における神経・免疫・上皮・腸内細菌のクロストークについて分子レベルで解明する。これらのイメージングについては腸管透明化法を開発して進めているが、野生型を用いて抗体による染色まで可能になった。今後KOマウスを用いて神経・免疫系の相互作用現場をさらにイメージングで明らかにする。
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Research Products
(7 results)
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[Journal Article] Haploinsufficiency of the c-myc transcriptional repressor FIR, as a dominant negative-alternative splicing model, promoted p53-dependent T-cell acute lymphoblastic leukemia progression by activating Notch1.2015
Author(s)
Matsushita K, Kitamura K, Rahmutulla B, Tanaka N, Ishige T, Satoh M, Hoshino T, Miyagi S, Mori T, Itoga S, Shimada H, Tomonaga T, Kito M, Nakajima-Takagi Y, Kubo S, Nakaseko C, Hatano M, Miki T, Matsuo M, Fukuyo M, Kaneda A, Iwama A, Nomura F.
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Journal Title
Oncotarget
Volume: 6
Pages: 5102-5117
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] Bidirectional role of IL-6 signal in pathogenesis of lung fibrosis.2015
Author(s)
Kobayashi T, Tanaka K, Fujita T, Umezawa H, Amano H, Yoshioka K, Naito Y, Hatano M, Kimura S, Tatsumi K, Kasuya Y.
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Journal Title
Respir Res.
Volume: 16
Pages: 99
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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