2015 Fiscal Year Annual Research Report
繊毛打3次元運動システムにおける軸糸ダイニンのトルク発生の役割
Publicly Offered Research
Project Area | Cilium-centrosome system regulating biosignal flows |
Project/Area Number |
15H01204
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
豊島 陽子 東京大学, 総合文化研究科, 教授 (40158043)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 繊毛運動 / ダイニン / 微小管 / 基底小体 / 3次元計測 |
Outline of Annual Research Achievements |
繊毛の9+2構造は、原生動物から哺乳類に至るまで共通しており、真核細胞がつくりあげた細胞内運動器官として非常に複雑で精緻なものである。効果的に水流を引き起こすためには、9+2縦列横列に多数配向しているダイニンが局所的に活性化され、繊毛内で周期的に伝播しているはずであるが、そのダイナミックな制御機構はわかっていない。これを明らかにするために、本研究ではまず、テトラヒメナの繊毛打運動を3次元空間で詳細に計測する基盤を確立した。生きている状態のテトラヒメナをガラスキャピラリーを用いた吸引により細胞体を固定し、固定側と反対の細胞表面から出ている繊毛1本にビーズを結合させて、ビーズの運動を計測した。ビーズの位置を連続して3次元的に計測するために、連携研究者(矢島)が開発した光路の半分にプリズムを入れて位相をずらすことで、xy平面の位置計測に加えて z軸方向の変位を求めた。その結果、繊毛に結合したビーズの運動は、ほぼ円形に近い軌跡を示した。また、テトラヒメナの繊毛形成の起点となる基底小体(中心子)の構成分子であるセントリン分子に蛍光タンパク質を融合した組換え体を作製したところ、繊毛の基底部位が繊毛列線に沿って蛍光をもつことが確認できた。この両者を組み合わせることにより、繊毛の基部と繊毛に付着したビーズの相対的な位置を特定することで、繊毛の運動を定量的に計測する基盤を確立できた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
繊毛の基部のマーカーを得ることができたので、基部からの距離がさまざまなところに結合させたビーズの運動を多数定量することにより、繊毛1本の長さに沿った位置情報を3次元的に解析する。これにより、繊毛1本の3次元の運動パターンを詳細に解析することが可能になる。
|
Strategy for Future Research Activity |
繊毛の基部のマーカーを得ることができたので、基部からの距離がさまざまなところに結合させたビーズの運動を多数定量することにより、繊毛1本の長さに沿った位置情報を3次元的に解析する。これにより、繊毛1本の3次元の運動パターンを詳細に解析することが可能になる。
|
Research Products
(6 results)
-
[Journal Article] Axonemal Dynein Light Chain-1 Locates at the Microtubule Binding Domain of the γ Heavy Chain2015
Author(s)
Ichikawa M., Saito K., Yanagisawa H., Yagi, T., Kamiya, R., Yamaguchi S., Yajima, J., Kushida Y., Nakano, K., Numata, O. and Toyoshima, Y. Y.
-
Journal Title
Molecular Biology of the Cell
Volume: 26
Pages: 4236-4247
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
-
-
[Journal Article] Torque generation by axonemal outer-arm dynein2015
Author(s)
Yamaguchi, S., Saito, K., Sutoh, M., Nishizaka, T., Toyoshima, Y. Y. & Yajima, J.
-
Journal Title
Biophysical Journal
Volume: 108
Pages: 872-879
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
-
[Presentation] Axonemal Dynein Light Chain-1 Locates at the Microtubule Binding Domain of the γ Heavy Chain2015
Author(s)
Ichikawa M., Saito K., Yanagisawa H., Yagi, T., Kamiya, R., Yamaguchi S., Yajima, J., Kushida Y., Nakano, K., Numata, O. and Toyoshima, Y. Y.
Organizer
第53回日本生物物理学会年会
Place of Presentation
金沢大学(石川県金沢市)
Year and Date
2015-09-13 – 2015-09-15
-
[Presentation] Off-axis motion of yeast cytoplasmic dynein takes a biased random walk2015
Author(s)
Sugawa, M., Yamaguchi, S., Takagi, H., Shibata, K., Toyoshima, Y. Y., Yajima, J.
Organizer
第53回日本生物物理学会年会
Place of Presentation
金沢大学(石川県金沢市)
Year and Date
2015-09-13 – 2015-09-15
-
[Presentation] 分裂期kinesin-6の運動特性に関する研究2015
Author(s)
Yohei Maruyama, Akihiko Sato, Tim Davis, Toshihisa Osaki, Shin Yamaguchi, Shoji Takeuchi, Masanori Mishima, Junichiro Yajima
Organizer
第53回日本生物物理学会年会
Place of Presentation
金沢大学(石川県金沢市)
Year and Date
2015-09-13 – 2015-09-15