2016 Fiscal Year Annual Research Report
Wnt5a/Ror2シグナルと一次繊毛の機能連関による腎上皮細胞の極性制御
Publicly Offered Research
Project Area | Cilium-centrosome system regulating biosignal flows |
Project/Area Number |
15H01214
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
西田 満 神戸大学, 医学研究科, 准教授 (30379359)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ゴルジ体 / がん細胞浸潤 |
Outline of Annual Research Achievements |
受容体型チロシンキナーゼRor2は骨肉腫などのがん細胞で高発現し、がんの増悪・進展に関与しているが、その分子機構については未だ不明な点があった。私たちは、Ror2がIFT20 (Intraflagellar transport 20)の発現を誘導して骨肉腫細胞などのがん細胞の浸潤を促進することを見出した。IFT20は、一次線毛において鞭毛内輸送(IFT)を担うIFT複合体の構成因子であるが、これら構成因子の中で唯一ゴルジ体にも局在することが知られており、IFT20はゴルジ体において一次線毛非依存的な機能を担っていることが示唆される。実際、Ror2を高発現している骨肉腫細胞SaOS2などの悪性度の高いがん細胞は一次線毛を形成せず、IFT20の局在は主にゴルジ体のシス嚢に認められた。これらの細胞においてRor2やIFT20の発現を抑制すると、ゴルジ体のリボン構造が壊れ、ゴルジ体断片(ミニスタック)が核周辺に分散するとともに、浸潤に伴う細胞極性形成が阻害された。また、SaOS2細胞は中心体微小管に加え、ゴルジ体などから伸びた非中心体微小管を有しており、Ror2やIFT20の発現抑制はゴルジ体からの微小管形成を選択的に阻害した。ゴルジ体における微小管形成には、γ-tubulin ring complex (γ-TuRC)-AKAP450複合体がGM130を介してシスゴルジ嚢に局在することが重要であるが、IFT20はシスゴルジ嚢においてAKAP450とGM130の両者と結合し、これらの共局在に関与することを見出した。したがって、IFT20は一次線毛を持たない悪性度の高いがん細胞では、シスゴルジ嚢における微小管形成の促進を介してゴルジ体の形態・配置を制御し、細胞浸潤における極性形成に関与することが示唆される。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] Ror2 signaling regulates Golgi structure and transport through IFT20 for tumor invasiveness.2017
Author(s)
Nishita, M., Park, S.-Y., Nishio, T., Kamizaki, K., Wang, Z., Tamada, K., Takumi, T., Hashimoto, R., Otani, H., Pazour, G.J., Hsu, V.W., and Minami, Y.
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Journal Title
Sci. Rep. 7: 1, 2017.
Volume: 7
Pages: -
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research / Acknowledgement Compliant
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