2015 Fiscal Year Annual Research Report
植物病原体の感染戦略と細胞外免疫応答
Publicly Offered Research
Project Area | Plant cell wall as information-processing system |
Project/Area Number |
15H01246
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
吉田 聡子 奈良先端科学技術大学院大学, 研究推進機構, 特任准教授 (20450421)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 寄生植物 / 病害応答 / 抵抗性 / ストライガ |
Outline of Annual Research Achievements |
植物病原体である寄生植物が宿主に侵入する際には、宿主とのインターフェイスにおける細胞外コミュニケーションによって寄生の成立可否が決定されている。本研究では寄生植物が宿主植物に侵入する際に、インターフェイスで生じる攻防を担う分子実体の解明を目指す。特に、トランスクリプトームによって単離された寄生成立時に発現する分泌型タンパク質の機能を解明し、寄生植物がどのように宿主への侵入を可能にしているのかという疑問に答える。 私達はこれまでに、絶対寄生植物ストライガのRNAseq解析および、コシオガマの寄生組織特異的RNAseqをおこない、寄生時に吸器で発現する遺伝子のリストを得た。そこで、今年度はこれらの遺伝子機能をコシオガマの毛状根形質転換系を用いて解析する。ゲノム編集技術であるCRISPRシステムを用いて遺伝子のノックアウトのコンストラクト作成をおこなっている。 寄生植物と宿主植物のインターフェイスで特異的に発現している遺伝子のトランスクリプトーム解析を行った。これらのうちの多くは細胞外タンパク質をコードしており、エフェクタータンパク質である可能性が考えられた。うちいくつかについて、プロモータ解析により発現部位を特定し、ノックアウトコンストラクトを作成している。 寄生植物の吸器誘導は、リグニン由来物質によっておこることが知られている。様々なリグニン合成中間体の吸器誘導能を調べることで、細胞壁が宿主と寄生植物のコニュミケーションに寄与しているかを調べるとともに、リグニン組成を変化させたイネを用いて、寄生率の測定を行った。リグニンのS/G組成が寄生植物の吸器形成に影響を与えること、また、ストライガの抵抗性に関与していることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
寄生植物のトランスクリプトームからインターフェイス特異的に発現する遺伝子の単離に成功し、本年度の計画はおおむね順調に成功している。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで得られた遺伝子の機能解析を進め、寄生植物抵抗性に変化が起こるかどうかを確かめる。細胞壁の成分を変化させた宿主を用いて細胞壁が寄生に与える影響をテストする。
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Research Products
(7 results)
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[Journal Article] Local auxin biosynthesis mediated by a YUCCA flavin monooxygenase regulates haustorium development in the parasitic plant Phtheirospermum japonicum.2016
Author(s)
Ishida, J.K., Wakatake, T., Yoshida, S., Takebayashi, Y., Kasahara, H., Wafula, E., dePamphilis, C. W., Namba, S., Shirasu K.
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Journal Title
Plant Cell
Volume: 28
Pages: 1795-1814
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research / Acknowledgement Compliant
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[Journal Article] Haustorial hairs are specialized root hairs that support parasitism in the facultative parasitic plant, Phtheirospermum japonicum.2016
Author(s)
Cui, S., Wakatake, T., Hashimoto, K., Saucet, S. B., Toyooka, K., Yoshida S.*, Shirasu K.
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Journal Title
Plant Physiology
Volume: 170
Pages: 1492-1503
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
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