2015 Fiscal Year Annual Research Report
フィロウイルスの細胞侵入メカニズムと宿主域に関する研究
Publicly Offered Research
Project Area | Molecular basis of host cell competency in virus infection |
Project/Area Number |
15H01249
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
高田 礼人 北海道大学, 人獣共通感染症リサーチセンター, 教授 (10292062)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | エボラウイルス / フィロウイルス / 細胞進入 / レセプター / 宿主域 |
Outline of Annual Research Achievements |
TIM-1およびNPC1の遺伝子多形による感受性の違い:ヒト由来Jurkat TおよびRamos B細胞はいずれもフィロウイルスに対して非感受性である事が知られているが、両者のNPC1には、数アミノ酸の違いがある。面白いことに、Jurkat T細胞はC型レクチンを発現させることによって感受性を獲得するのに対して、Ramos B細胞は非感受性のままである。Jurkat TおよびRamos B細胞のNPC1遺伝子をクローニングし、アミノ酸配列を比較したところ、2箇所(200番目と215番目)のアミノ酸が異なる事が分かった。今後、Jurkat TおよびRamos B細胞のNPC1を強制発現させた細胞を確立し、フィロウイルスに対する感受性の違いを解析する。 コウモリ由来細胞のフィロウイルスに対する感受性を決定する因子の探索:フィロウイルスのGPを持つシュードタイプウイルスの感染性を様々な動物種由来の培養細胞で比較した結果、エボラウイルスは感染するがマールブルグウイルスは感染しないコウモリ細胞が存在する事が明らかとなり、レセプターの違いによるものと推定された。そこで、様々なコウモリ由来細胞のTIM-1およびNPC1遺伝子をデータベース検索し、幾つかの遺伝子をクローニングした。今後、これらを強制発現させた細胞を確立し、フィロウイルスに対する感受性の違いを解析する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、ヒト由来Jurkat TおよびRamos B細胞のNPC1遺伝子をクローニングし、アミノ酸配列の比較から2箇所の違いを突き止めることが出来た事ならびにそれらを強制発現させるための爬虫類細胞(エボラウイルスが利用できるNPC1を持っていない細胞)の入手し次のステップへの準備が整った事。さらに、ゲノム配列が明らかになっていない様々なコウモリ由来細胞から、数種類のNPC1遺伝子をクローニングできた事。
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Strategy for Future Research Activity |
Jurkat TおよびRamos B細胞のNPC1をレトロウイルスベクターを用いて強制発現させた爬虫類細胞を確立し、フィロウイルスに対する感受性の違いを解析する。また、差が認められた場合、いずれのアミノ酸が重要かを明らかにする。さらに、コウモリ由来細胞からTIM-1あるいはNPC1遺伝子のクローニングを継続し、クローニングされた遺伝子に関して、発現系を確立し、フィロウイルスに対する感受性の違いを解析する。
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Research Products
(13 results)
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[Journal Article] Discovery of an antibody for pan-ebolavirus therapy2016
Author(s)
Furuyama W, Marzi A, Nanbo A, Haddock E, Maruyama J, Miyamoto H, Igarashi M, Yoshida R, Noyori O, Feldmann H, Takada A
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Journal Title
Sci. Rep.
Volume: 6
Pages: 20514
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research / Acknowledgement Compliant
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[Journal Article] Interaction between TIM-1 and NPC1 is important for the cellular entry of Ebola virus2015
Author(s)
Kuroda M, Fujikura D, Nanbo A, Marzi A, Noyori O, Kajihara M, Maruyama J, Matsuno K, Miyamoto H, Yoshida R, Feldmann H, Takada A
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Journal Title
J. Virol.
Volume: 89
Pages: 6481-6493
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research / Acknowledgement Compliant
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[Presentation] エボラウイルスとは2015
Author(s)
高田礼人
Organizer
第15回日本ハ-イオセーフティ学会総会
Place of Presentation
戸山サンライズ(東京都新宿区、日本)
Year and Date
2015-09-15
Invited
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[Presentation] エボラ出血熱2015
Author(s)
高田礼人
Organizer
第62回日本実験動物学会総会
Place of Presentation
京都テルサ(京都市、日本)
Year and Date
2015-05-28
Invited
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