2016 Fiscal Year Annual Research Report
大型二本鎖DNAウイルス:多因子・多層制御による宿主感染機序の理解を目指して
Publicly Offered Research
Project Area | Molecular basis of host cell competency in virus infection |
Project/Area Number |
15H01263
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
植木 尚子 岡山大学, 資源植物科学研究所, 助教 (50622023)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 大型DNAウイルス / 赤潮原因藻 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、赤潮原因藻ヘテロシグマ(学名 Heterosigma akashiwo)に感染する大型二本鎖DNAウイルス( 以下GDNAVと略)であるHeterosigma akashiwo virus(HaV)の特性を明らかにし、また、その感染戦略を理解するために行った。まず、HaVの1系統であるHaV53の全長配列を解読し、遺伝子予測を行ったところ、HaV53は247遺伝子を持ち、また、3つのtRNAをコードすることが明らかになった。その遺伝子配列を、他のGDNAVゲノムと比較・精査したところ、HaV53は、他のGDNAVとは異なる特徴を持ったウイルスであることが明らかとなった。 GDNAは、Nucleocytoplasmic large dsDNA virusとも呼ばれ、その増幅・転写は、多くは宿主核周辺で、その機能を利用して起こると理解されてきた。例えば、ウイルスゲノムが増殖する際に見られる「ウイルス工場」は、核内、あるいは核に隣接して観察され、また、これまで発表されたケースでは、感染過程で検出されるRNAはポリアデニル化されたものであることが知られてきた。しかし、HaVが感染した宿主のRNAをpolyAセレクション後にRNAseqした場合には、ウイルス由来の転写物はほとんど見出されなかった。一方、total RNAからribosomal RNAを除去したものをRNAseqした場合には、ウイルス由来転写物が検出された。つまり、HaV53感染時に検出されるウイルス遺伝子由来のRNAは、HaV53感染時の遺伝子転写は、核内RNAポリメラーゼ以外の機構を利用していることを示唆している。このような例は、GDNAVでは初めての報告であり、HaVの独自性を示すものであり、また、GDNAVの多様な感染戦略の一端を明らかにしたものと言える。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)