2015 Fiscal Year Annual Research Report
ダイニンと制御タンパク質の超分子複合体による多様な運動モードの制御マシナリー
Publicly Offered Research
Project Area | Harmonized supramolecular machinery for motility and its diversity |
Project/Area Number |
15H01310
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
豊島 陽子 東京大学, 総合文化研究科, 教授 (40158043)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ダイニン / ダイナクチン / BicD2 / 微小管 / CC1 |
Outline of Annual Research Achievements |
細胞内で働くダイニンの重鎖遺伝子は1種類に限られているが、ダイニンは多様な役割や運動様態を示すので、ダイニンの結合タンパク質による制御機構が注目される。本研究では、ダイニンとその制御タンパク質からなる複合体の微小管との相互作用の実態と分子構築や構造変化を調べることを目的としている。まず、ダイナクチンp150のコイルドコイル領域(CC1)の断片はダイニンに結合し、ダイニンを微小管から解離させる作用をもつことを明らかになったので、CC1領域の構造解析を進めるために大量で均一のフォームのCC1断片を得るべく、その長さをさまざまに変化させた多種類の組換え体を用意し、ゲルろ過法とショ糖密度勾配遠心で解析したところ、それぞれシングルピークとなり、ダイマーであることが予測されるような断片を得ることができた。また、p150のアイソフォームにはK-rich領域を含むもの(1A)と含まないもの(1B)が存在するが、ダイニン-ダイナクチン-BiCD2の3者複合体における両者の違いを調べたところ、1Aアイソフォームを含む3者複合体は微小管上を一方向にプロセッシブに運動するものが数多くみられたが、1Bアイソフォームの3者複合体は全く微小管に結合しないことがわかった。この結果は、ダイニン-ダイナクチン-BicD2の3者複合体がhighly processiveに運動するという、海外の複数のグループによる最近の報告に対し、それはK-rich領域を含む場合にのみ当てはまることを示した。さらに、K-rich領域を含まないアイソフォームは微小管との相互作用において全く異なる様相、すなわちCC1断片の場合と同じ効果を示すことを、新たな知見として得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ダイナクチンのサブユニットp150内の領域について、CC1はダイニンを微小管から引き離す作用があること、また、K-rich領域の有無がダイニン-ダイナクチン-BicD2複合体の振る舞いを決めていることなど、制御マシナリーに関する新たな知見を得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
均一なフォームのCC1断片を得ることができたので、結晶化を行う。うまういかなければ、研究協力者とともにクライオ電子顕微鏡法によって構造解析を試みる。構造が決定されれば、さらにCC1断片の機能部位の絞り込みのための組換え体を作製して、構造と機能の関係を調べる。また、当初の計画に含めていた、ダイニン-Lis1-Nudel1の3者複合体についても微小管上の振る舞いを調べ、2者複合体との違いを明らかにする。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] Axonemal Dynein Light Chain-1 Locates at the Microtubule Binding Domain of the γ Heavy Chain2015
Author(s)
Ichikawa M., Saito K., Yanagisawa H., Yagi, T., Kamiya, R., Yamaguchi S., Yajima, J., Kushida Y., Nakano, K., Numata, O. and Toyoshima, Y. Y.
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Journal Title
Molecula Biology of theCell
Volume: 26
Pages: 4236-4247
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
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[Presentation] Axonemal Dynein Light Chain-1 Locates at the Microtubule Binding Domain of the γ Heavy Chain2015
Author(s)
Ichikawa M., Saito K., Yanagisawa H., Yagi, T., Kamiya, R., Yamaguchi S., Yajima, J., Kushida Y., Nakano, K., Numata, O. and Toyoshima, Y. Y.
Organizer
第53回日本生物物理学会念会
Place of Presentation
金沢大学(石川県金沢市)
Year and Date
2015-09-13 – 2015-09-15
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[Presentation] Off-axis motion of yeast cytoplasmic dynein takes a biased random walk2015
Author(s)
Sugawa, M., Yamaguchi, S., Takagi, H., Shibata, K., Toyoshima, Y. Y., Yajima, J.
Organizer
第53回日本生物物理学会念会
Place of Presentation
金沢大学(石川県金沢市)
Year and Date
2015-09-13 – 2015-09-15
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[Presentation] Dynactin is a biphasic regulator to promote and inhibit dynein motility2015
Author(s)
Kobayashi, K., Miyashita, K., Kajita, H., Saito, K., Murayama, T., Toyoshima, Y. Y.
Organizer
第53回日本生物物理学会念会
Place of Presentation
金沢大学(石川県金沢市)
Year and Date
2015-09-13 – 2015-09-15