2015 Fiscal Year Annual Research Report
バクテリアべん毛モーターの超分子構築過程の解析
Publicly Offered Research
Project Area | Harmonized supramolecular machinery for motility and its diversity |
Project/Area Number |
15H01332
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
曽和 義幸 法政大学, 生命科学部, 准教授 (10519440)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 細菌べん毛モーター |
Outline of Annual Research Achievements |
細菌べん毛モーターは,細胞膜を通過するイオン流から得られる自由エネルギーを回転運動へと変換する運動マシナリーである.モーターは,固定子として機能する約10個のMot複合体と,タンパク質がリング状に重合した回転子から構成される.近年,モーターに対する負荷条件や入力エネルギー条件などに応じて,モーターに組み込まれるMot複合体の数が柔軟かつダイナミックに最適化されるように制御されていることが明らかになってきた. 本研究では,主に大腸菌べん毛モーターの回転子と固定子を研究対象として,細胞内で機能する超分子複合体内の分子ダイナミクスを1分子レベルで可視化し,その構築過程・調節機構の解明を目指す.今年度は次の3点について研究を遂行した. ・回転子と固定子を同時に可視化するための2光路分岐光学系の準備-顕微鏡カメラポート側に2色の波長で分岐できる光学系を導入し,緑色蛍光と赤色蛍光の同時観察を実現した. ・2種類のイオンで動くモーターの解析-2種類のイオンを同時に利用できるべん毛モーターのエナジェティクス,および様々な入力条件下における固定子のダイナミクスについて領域内共同研究として推進した. ・大腸菌異物排出ポンプの解析-本研究で構築を行った蛍光観察・解析システムを利用して大腸菌内で機能する異物排出ポンプ(TolC-AcrA-AcrB, AcrD)の分子構築過程に関する研究をおこない,その結果をScientific Reportsに発表した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目標であるべん毛モーター内の分子ダイナミクスの検出には少し遅れが見られるものの,蛍光観察システムを利用して行ったポンプ構築過程に関する研究は論文として発表することができ,また領域内共同研究も順調に進めることができたため,おおむね順調に進展していると判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
蛍光標識モーターの2色同時観察を中心に進めて,モーター分子内ダイナミクスを明らかにする.また,ステージの安定性改善にも注力したい.
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Research Products
(8 results)
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[Journal Article] Substrate-dependent dynamics of the multidrug efflux transporter AcrB of Escherichia coli2016
Author(s)
Yamamoto, K., Tamai, R., Yamazaki, M., Inaba, T., Sowa, Y. & Kawagishi, I.
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Journal Title
Sci Rep.
Volume: 6
Pages: 21909
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
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