2015 Fiscal Year Annual Research Report
内皮即時型応答遺伝子の包括的な転写サイクル制御機構のシステム解析
Publicly Offered Research
Project Area | Integral understanding of the mechanism of transcription cycle through quantitative, high-resolution approaches |
Project/Area Number |
15H01348
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
南 敬 熊本大学, 生命資源研究支援センター, 教授 (00345141)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 転写制御 / 血管内皮細胞 / エピゲノム / ヒストンプロファイリング / VEGF / Bivalent 修飾 / ポリコーム / 転写因子 |
Outline of Annual Research Achievements |
血管内皮細胞が VEGF 刺激を受けて早期活性化し、転写サイクルシステムを動的に動かす仕組みを解明するため、時間分解能を上げた VEGF 刺激 0,5,15,60 分での発現アレイと FAIRE-seq を追加した。VEGF 刺激5分からクロマチン全体が変動し、急性期誘導遺伝子 locus が活性化し、15分で元にもどることを見出した。さらに VEGF 依存的な血管新生を主導する重要な後期転写因子群 (ERG2/3, KLF4, NR4A1-3, ATF3) などの制御領域のエピゲノム動態をヒストン修飾酵素特異的抗体を用いた ChIP-seq でゲノムワイドに捉え、その変化を ChIP-qPCR 法にて validate した。特に H3K27me3 修飾が入ったまま、H3K4me3 修飾が VEGF 刺激で増えて Bivalent になる仕組みを解き明かすため、H3K4me3 修飾を入れるトリソラックス酵素群のアダプタータンパク PTIP がどうして上述した特定の重要転写因子群の制御領域に濃縮するのか、Egr3 転写誘導に必須な転写因子 NFAT, CREB, SRF との相互作用を免疫沈降法で確認した。その結果 PTIP の N 末 BRCT ドメインに NFAT1 が特異的に結合し、NFAT と共に核内移行することで VEGF エピゲノムスイッチを引き起こす新たな機構を見出した。さらに H3K27me3 修飾がありながら、転写が進む機構を解明するため、ポリコーム (PRC)2 がこの Bivalent 修飾に必要かどうか EzH2 や Suz12 のノックダウンで調べたところ、他のポリコーム抑制領域を異なり、VEGF 急性期転写制御にはPRC2 が必要でノックダウンすると逆に転写が抑制される結果となった。そこで現在 PRC2 が結合する前の PRC1 バリアントの結合可能性を調査しており、内皮において特有のPRC1 バリアントが一過性に転写を促進するデータを精査しているところである。全てまとめて論文化する方針である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
東京大学から熊本大学に異動のため、約半年実験が滞ったが、PRC2 の役割や PRC1 バリアントの存在に着目することが出来たこと、研究内容は転写制御と血管生物学に広がるため、 内皮転写に詳しい UCSF の Brian Black 博士と相談し、論文化に向けての話し合いが進んだことから、今年度の研究で当初の目標に近づくことができると判断した
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Strategy for Future Research Activity |
PRC1 バリアントがこの特定制御領域に近づく仕組みを明らかにし、これにより、PRC1 がヒストンのユビキチン化を引き起こす間だけ転写が許される仕組みの解明に繋げたい。転写が終息するときに 普遍型 PRC1 に置き換わる仕組みを明らかにするため、PRC1 のコンポーネント PCGF の複数の siRNA ノックダウン実験から始める予定である。
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Research Products
(16 results)