2015 Fiscal Year Annual Research Report
脂肪肝再生過程での細胞死制御メカニズムの解明
Publicly Offered Research
Project Area | Homeostatic Regulation by Various Types of Cell Death |
Project/Area Number |
15H01373
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
井上 啓 金沢大学, 新学術創成研究機構, 教授 (50397832)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 細胞死 / 肝臓 / アポトーシス / ストレス |
Outline of Annual Research Achievements |
脂肪肝再生障害は、再生過程における肝細胞死の亢進が主要病因であり、軽度脂肪肝ではアポトーシス、高度脂肪肝ではネクローシスが増強する。様々なストレスに対し共通する生体応答として、eIF2αリン酸化を介した統合的ストレス応答が知られている。代表者は、肝臓の再生・代謝の制御メカニズムの解明に取り組み、その過程で、統合的ストレス応答の増大に応じ、脂肪肝再生過程で、肝小葉内に散在する細胞死の増加とともに、広範な壊死巣が出現することを明らかにしている。また、統合的ストレス応答増強による肝細胞死の増加が転写因子CHOP依存的である事、肝再生過程で壊死巣の出現と肝臓TNFα・RIP3発現と相関する事を見出している。そこで、本研究では、統合的ストレス応答に伴う脂肪肝再生過程での細胞死制御メカニズムの解明を目的とし、1)CHOPによる細胞死誘導のメカニズム、2)RIP3発現の機序と細胞死誘導の重要性について検討する。 本年度には、脂肪肝での肝再生過程で増加する統合的ストレスが、CHOP発現の増加を誘導し、抗アポトーシス分子であるBclxLを減少させ、アポトーシス誘導分子Baxを増加させることでアポトーシスを誘導することを見出している。さらには、高度脂肪肝において、肝切除後のネクローシスの増加とRIP3発現が増強することも明らかにしている
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
CHOPの役割とその肝再生における役割の解明を行い、研究計画に先駆けて、CHOPによるアポトーシス調節の関与を見出し、Hepatology誌に研究成果を発表している。これらの結果から、当初の計画以上に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
高度脂肪肝または、脂肪肝再生過程での統合的ストレス応答の増強時に発現が増加するRIP3の肝再生過程における役割を解明する。
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Research Products
(10 results)